禁煙がゴールでは無い! JTが目指す「分煙」は喫煙者・非喫煙者にとっての快適な環境だ

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国会でも喫煙・禁煙に対する取り組みや対応は議論されているが、実際の対応は地域によって異なるのが現状だ。

東京都は6月27日、2020年開催予定の東京五輪に向け、従業員を雇用する飲食店を原則禁煙とする条例を可決した。

禁煙への取り組みは地域によって異なる中、「受動喫煙」に関しては喫煙者と非喫煙者を問わず対応すべきという意識は着実に上がってきている。

こうした社会背景の中、実際にたばこを販売する側の企業はどういった取り組みを行っているのだろうか?

JT(日本たばこ産業)は、7月11日〜13日に開催した「働き方改革 EXPO」において「分煙コンサルティング活動」について紹介した。


分煙デモンストレーション


JTのブースには、実際に「喫煙室」を設置。
副流煙が喫煙室から漏れない空調設備のデモンストレーションをしていた。

これまでの喫煙室は、人の出入りによって、たばこの副流煙が外に漏れてしまう。
これが非喫煙者に不快感を誘発してしまう。
新たな喫煙室では、喫煙室の空気の流れをコントロールし、喫煙室から煙が漏れないよう設計されている。


出入口は引き戸にしてガラリと呼ばれる給気口を設置(写真=左)。天井には排気口を設置して給気口からの空気を流し換気する(写真=右)


JTでは、分煙試験室での研究や検証を行っている。
こうしたデータを基に、自治体や商業施設、企業などに向けた「分煙コンサルティング活動」をしている。

JTの考える分煙とは
・快適で喫煙者と非喫煙者が共存できる環境
・選択肢があり、自由に選べる環境
だという。

分煙を実現するのは、個室タイプの喫煙室だけではない。
・個室による分煙
・エリアによる分煙
・フロアによる分煙
・局所排気による分煙
・時間による分煙
・店頭表示
・屋外喫煙スペース
と、さまざまな形態がある。

JTはこうした検証により、適切な分煙環境の作り方を企業などに提案していくのだという。

たばこを販売する企業としては、ただ禁煙や分煙をして喫煙を減らすのではなく、分煙を適切に、かつ効果的に実施した上で「たばこを吸ってほしい」という本音も見え隠れする。

一般社団法人 日本たばこ協会における紙巻たばこ統計データの「年度別販売実績推移表」によると、
・ピーク時:平成8(1996)年 3,483億本(販売数量)
・直近:平成29(2017)年 1,455億本(販売数量)
と、およそ20年間で販売数量が半分以下に減少している。

たばこを販売する側としても
・非喫煙者や嫌煙家にとって最大限の配慮をする
・喫煙者にとっての快適な喫煙できる環境を作る
こうした開発や提供をしていくことは、必要不可欠なのだろう。


撮影・執筆:2106bpm