ロシアW杯では海外組の活躍も光った日本代表【写真:Getty Images】

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海外メディアが大会を総括、アジア勢にとっての教訓とは?

 サッカーワールドカップ(W杯)ロシア大会はフランスの優勝で幕を閉じたが、初の決勝進出を成し遂げたクロアチアの奮闘もまた目立った。海外メディアは今大会を総括する中で、アジア勢の欧州挑戦を推奨している。

 決勝トーナメントに進出したのは日本だけだったが、韓国は1次リーグでドイツから大金星。イランはスペイン、ポルトガルと同居する“死の組”で勝ち点4を上げるなど、アジア勢の健闘も目立った。さらに次のステップに進むためには何が必要なのか。米放送局「FOXスポーツアジア」が「アジアにとってワールドカップから最も教訓となったこと」と題して特集を組んでいる。

 記事ではまず人口約400万人のクロアチアの躍進に触れながら、「その中でも見落とされがちなのは、クロアチア代表には欧州の有力クラブでプレーする選手が多数いるということだ」としている。

 クロアチア以外にも、ベルギー、ウルグアイ、さらにアイスランドといった国の代表にも、欧州などトップリーグでプレーする選手が多くいることを紹介している。

「アジアにとっての教訓(それは長きに渡ってのものであるが)は疑いの余地なくはっきりしているが、若き才能を可能な限りレベルの高いプレー環境が備わったクラブへ送りこむことであろう」

日本代表の躍進も海外組が高いレベルで実力を磨いたからこそ

 アジアのレベルを上げるためには、積極的な海外挑戦が必要だと強調。イラク、インドネシア、ベトナム、タイ、ミャンマーといった国に、「荒削りな原石は存在している」とした上で、「求められることとして、こういった存在に対してプロフェッショナルな環境と正しいコーチングを提供し、テクニック、戦術面での教育、フィジカルといったことを結びつけ、もって生まれた才能をより伸ばすことだろう」とアジアの好素材を伸ばすためには環境の整備がまずは大事だとしている。

「アジアの強国であっても、必要なのはチャンスである」

 記事では、Jリーグには才能ある選手が充実してきており、欧州でプレーする選手も着実に増えているが、代表クラスを充実させるため、より多くの選手が挑戦できるような議論は必要だろうとしている。

 また今大会で活躍した乾貴士、原口元気、大迫勇也、香川真司らは海外の高いレベルで実力を磨いたことでの成果を証明したとも説明している。

 日本代表は23人中15人が海外組。中でも主にスタメンで出場していた11人の中では、DF昌子源以外は全員が海外組だった。今大会後にはさらに移籍のニュースも増えそう。強くなるにはよりレベルの高い環境へ――。海外メディアも再認識したようだ。(THE ANSWER編集部)