決勝トーナメント1回戦は日本とベルギーによる死闘となった【写真:Getty Images】

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「W杯名珍場面」―ベルギー戦の決勝点被弾直後に撮られた1枚の写真に脚光

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会はフランスの優勝で幕を閉じた。予期せぬ波乱あり、感動シーンあり、様々なドラマが起こった1か月となったが、今日から「W杯 夢の跡」と題し、ファンの記憶に残った名珍場面を振り返る。今回は、日本が決勝トーナメント1回戦のベルギー戦で演じた死闘。敗戦直前に撮られ、海外で話題を呼んだ「1枚の写真」とは――。

 夜明け前の日本が沈黙した。後半49分だった。CKのチャンスが一転、カウンターを食らった。GKクルトワのパスから始まった電撃的な速攻。右サイドからのクロスがゴール前のMFシャドリに送られた。DF昌子源が懸命に足を伸ばし、GK川島永嗣がセーブを試みたが、無情にもゴールネットを揺らされた。

 英公共放送「BBC」の番組「マッチ・オブ・ザ・デイ」公式ツイッターが公開したのは、その直後の1枚の画像だった。

 決定的な1点に勝利を確信し、ゴール脇でシャドリをもみくちゃにして歓喜の輪を作るベルギーイレブン。その手前に川島と昌子の姿があった。立ち上がれずにいた昌子の右手を川島が引っ張り、再び前を向こうとしている瞬間だ。明と暗が分かれるコントラスト。勝利は絶望的な状況となっても、守護神の闘志が伝わってくる。

海外ファンも感動「素晴らしい試合での素晴らしい写真」

 投稿では「ベルギーに3点目を決められた際にエイジ・カワシマはゲン・ショウジに手を差し伸べる。「胸が張り裂け、かつ心温まる、今日の試合からの一枚」と題し、感動的なシーンを紹介。米スポーツ専門局「FOXスポーツ」も「勝利への興奮、敗北への苦しみ」とツイートし、同様の画像を紹介した上で情緒的に伝えていた。

 この1枚に対し、海外ファンから「素晴らしい試合での素晴らしい写真」という声のほか、「日本は勝利に値していた」「シミュレーションがない試合を見るのは気持ち良い」という称賛の声が上がり、反響が広がった。ベルギー戦は今大会屈指の名試合となったが、なかでも日本の最後まで諦めない姿勢は、1枚の写真とともに確かに海外の心を確かに打った。(THE ANSWER編集部)