フランス代表が二度目の優勝を果たしたが、勝敗を分けたPKの判定が「誤審」として物議を醸している【写真:AP】

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VARによりペリシッチのハンドと判定 シアラー氏「あの判定は相応しくない」

 ロシア・ワールドカップ(W杯)決勝は、フランスが4-2でクロアチアを破り、1998年大会以来二度目の栄冠に輝いたが、勝敗を分けたPKの判定が「誤審」として物議を醸している。

 決勝の舞台でビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)がフル活用された。1-1で迎えた同35分、フランスのコーナーキックの場面でクロアチアMFイバン・ペリシッチはニアサイドでクリアしたが、ボールが腕を直撃。アルゼンチン人主審ネストル・ピタナ氏はVARによりPKと判定した。これをFWアントワーヌ・グリーズマンがゴール左に流し込んでフランスが再び1点をリードし、2-1として前半を終えた。

 英公共放送「BBC」は、「ワールドカップ決勝:イバン・ペリシッチのハンドボールはペナルティーだったのか?」と特集。そして、ピタナ主審の判定について、「日曜日のワールドカップ決勝で最も物議を醸す瞬間だったことは間違いない」と指摘。そして、ボールはペリシッチの腕を直撃していたが、「あれは故意のハンドだったのか? ペリシッチにはハンドを回避する時間はあったのか?」と問題提起している。

 そして、元イングランド代表FWアラン・シアラー氏はピタナ主審の判定を一刀両断している。

「決勝の勝敗を決めてしまうあんな愚かな判定をすることはありえない。ここまでの大会からも、あの判定は相応しくない」

 “誤審”という指摘を越えて、“愚か”と断罪。そして、「クロアチアは輝ける活躍だった。彼らはこの試合に負けてしまった。FKではないFKと、ペナルティーではないペナルティーのせいで」と、前半18分の先制点につながるグリーズマンのダイブ疑惑によるFK獲得とともに、誤った判定だと言い切っている。


ペリシッチは「わざとボールに触ろうとしていない」

 元イングランド代表DFリオ・ファーディナンド氏も、フランスにPKが与えられたシーンについて「あれはペナルティーと100%言い切れない。彼(ペリシッチ)はわざとボールに触ろうとしていない。反応するには距離が近すぎた。主審が判断するまで、あまりに時間がかかったことが、それを物語っている。(故意かどうか)確信できなかったんだ」と指摘している。

 そして、日本代表監督候補にも名前が上がっていた元アメリカ代表監督のユルゲン・クリンスマン氏も、「確信がない時は、ペナルティーを与えてはいけない。誤った判断だ」と誤審と断言していた。

 20年ぶり二度目の栄冠をつかんだフランスだが、勝負の行方を大きく左右した勝ち越しゴールは疑惑のPKだったと物議を醸している。


(Football ZONE web編集部)