かつては、日本メーカーや韓国メーカーの製品が中心だった中国の家電市場が、中国メーカーの成長によって中国製品によって占められてきている。(イメージ写真提供:123RF)

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 かつては中国の家電市場で日本メーカーの製品は大きな人気を獲得していたが、韓国メーカーと中国メーカーによってシェアを奪われ、市場から追いやられてしまった。しかし、最近では韓国メーカーも中国企業によってシェアを奪われ、かつての日本メーカーのような苦境に直面しているという。中国メディアの快資訊は10日、中国の家電市場に関する記事を掲載し、日本企業の後を追うように韓国メーカーが苦戦しているとする記事を掲載した。

 サムスンやLGの白物家電は世界では好調だ。しかし、中国では勝手が違うようだ。記事は、ここ数年で中国市場から撤退したり買収されたりした日本企業と重ね、衰退した理由を中国企業の今後のためにも考えてみるように勧めた。

 記事はまず、韓国企業は中国からの撤退を表明していないが中国の消費者の心の中ではすでに「死刑判決」が下っていると辛口の評価をした。韓国製品は中国市場ではすでに2流扱いで、テレビでは台頭してきた中国企業と大型テレビ市場を中心に反撃に出たソニーなどの日本企業との板挟みになり、頼みの綱のスマホも高価格帯ではアップルとファーウェイ、中間価格帯ではオッポ、シャオミなどに挟まれ退路がない状態だと苦しい現状を指摘。ライバル企業だけでなく、新しい時代と若いユーザーに捨てられたと論じた。

 では、中国企業が参考にするべき「失敗の要因」はどこにあるのだろうか。記事は韓国企業は市場と消費者の需要に合わせて変化するのを怠ったと分析。そのため、中国に特化した製品を発売して、差別化を図ることができなかったとしている。これは、海外市場へと進出する中国企業にも言えることで、日韓の企業が振り落とされるのをただ見ているだけではいけないと警鐘を鳴らした。

 一時は中国市場で大きな存在感を見せていた韓国メーカーは、確かに最近ではすっかり影が薄くなった。これは家電やスマホのみならず、自動車市場でも同じことだ。記事では触れていないものの、高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の問題も大きく影響しているのは否めないだろう。この点、数年前に大規模な反日運動が起きても、一定のシェアと人気を保持している日本メーカーは一線を画していると言えるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)