グリーンランド沖を漂流する氷河とインナースート島の居住地区(2018年7月13日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】グリーンランド沖で漂流している高さ100メートルの巨大な氷山がひび割れて崩落した場合、津波によって沿岸部が水没する可能性があるとして、同国の警察当局は岬に居住地区のあるインナースート(Innaarsuit)島の住民に対し避難勧告を行っている。

 巨大な氷山が発見されたのは12日。グリーンランド警察の治安責任者は13日、デンマークの通信社リツァウス(Ritzau)に対し、この氷山が崩落した場合、島の居住区に向かって津波が押し寄せる懸念を抱いていると述べた。

 リツァウスによると、グリーンランド北西部にある集落には現在169人が住んでいるが、これまでに避難したのは氷山に一番近い所に住むごくわずかな住民にとどまっている。

 村議会議員の一人は地元紙セルミツィアック(Sermitsiaq)に対し、インナースート島の近くで大型の氷山が確認されることは珍しくないとしながらも、「この氷山は今まで見た中では最大だ。亀裂や穴も見て取れることから、いつ崩落してもおかしくないと心配している」と述べ、集落の発電所や燃料貯蔵庫が海岸近くにあることを明らかにした。

 米ニューヨーク大学(New York University)の科学者らは先月、グリーンランド東部で巨大な氷山が氷河から切り離される様子を撮影、公開した。

 専門家の一人は、極端な大きさの氷山が分離する例は今後さらに増えるだろうと予測している。

 デンマーク・グリーンランド地質調査所(GEUS)の上級研究員ウィリアム・コルガン(William Colgan)氏はAFPに対し、「気候変動の影響が強まる中、この100年でグリーンランドにおける氷山の分離は増加している」と話した。

 氷山が増えるということは、氷山が氷河から分離する際に高波が起きて「津波災害が増える」ことにもなるという。

 昨年、グリーンランド中西部ではウマナック(Uummannaq)島の沖合を震源とするマグニチュード(M)4.0の地震が発生し、これに伴う津波で同島ヌーガーツィアク(Nuugaatsiaq)村の家屋数棟が海に流され、住民4人が死亡、11人が負傷する事例が起きている。
【翻訳編集】AFPBB News