今回の覆面調査結果として、全ECサイトのデータを表にまとめました。また、次のページではファッション業界のEC専門家である川添隆氏の総括を紹介します。

(取材・文/『ファッション販売』編集部)

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各社無難な対応だが意外な点で格差が見えてきた!

 今回の調査では、自社運営、デベロッパー運営、ECメインの企業運営などの14サイト(.哨哨織Ε鵝↓▲▲泪哨鵝↓カエルパルコ、ぅ好肇薀ぅ廛妊僉璽肇瓮鵐函↓ゥ蹈灰鵐鼻↓Ε▲鵐疋癲璽襦↓Д▲ぅ襯潺諭↓┘侫薀奪哀轡腑奪廖↓ベイクルーズストア、ウサギオンライン、ユニクロオンラインストア、無印良品ネットストア、ドットst、ワールドオンラインストア)について、3月11日から25日にかけて調査員2人で会員登録、注文から受け取り、開封後までを検証。その後消費者の目線でサイトづくりや見やすさ、サービスの内容などについて調べた。

 通常の接客覆面調査と異なり、それぞれ細かな条件が異なるため明確な点数やランキングは付けていないが、全てのサイトでトラブルなどはなく正しく商品が届けられた。

 各社の条件が同じになる送料、決済方法の種類、受け取り方法の種類などは下の表で比較している。一見同じような商品を扱う、似たデザイン、サービスのサイトであっても、届いた商品の状態やサイトの見やすさなど細かな点に差が出ている。詳しいサービス内容や評価については〈こちらのページ〉を参照。

 当たり前のことだが、ネット通販での購入は本当に便利だ。しかし、サイズ選びに頭を悩ませたり、思い通りの日に届かないことがあるし、付加価値というものはほとんどない。アパレルに限らずネット通販は既に私たちの生活に欠かせないものになっているが、ショップスタッフや店舗関係の仕事をする読者の方々は、対面での接客の付加価値がリアル店舗には必ずあることを忘れずに自信を持って働いてほしい。この調査結果から得た知識が日々の仕事に何か役立ったらうれしく思う。

(『ファッション販売』編集部)クリックで拡大します。

*「ロコンド」の口コミ・レビュー欄が「なし」となっておりましたが、「あり」の間違いでした。お詫びして訂正いたします。(2018年7月18日/商業界オンライン編集部) 

ファッションECの今後の課題

 試着、コーディネート提案、送料などサービスや、サイトのUIなどは最適化された方向性が出てくるので、表面上が同質化されていくのは1つの流れでしょう。その中で、ブランドやサイト自体がお客さまに対してどのような体験を提供したいか? 強みは何なのか? を問われる時代になってきます。商品画像も「らしさ」を表現する重要な要素であることは変わりません。また、特に商品まで同質化しがちなモールなどは、少しだけ他社より見やすい、買いやすいなどの「ほんのちょっとの差」を生み出すことが大切になっていくはずです。在庫連携、決済、サイト遷移、アプリなどのチャネルなど、顧客特性に合わせた本当に細かいメンテナンスがものをいうので、そこを各社とも継続的な努力が必要だと感じます。
 
 体験や伝えられる情報の質がリアル店舗とECでは異なります。ECだけの場合は、圧倒的に利便性を高めるか、他にはない体験をつくりだすかが勝負の分かれ目になると思います。

注目サイトはここ!

ベイクルーズストア


ドットst


 

 実力がある2サイト。今後にさらに期待したい。

 ベイクルーズストアとドットstは、アパレル企業において自社ECの2大巨頭だが、例えば、商品画像に大きな違いがあり、ベイクルーズはモデルにスタッフを起用(スタッフの個性や雰囲気で特色を出す)、ドットstはブランドによってプロのモデルを起用したり、物撮りなどを使い分けている(写真の撮り方や背景で特色を出す)という違いがある。この2社がどんな工夫をしていくかは業界の指針になるでしょう。

 


川添 隆(かわぞえ たかし)

株式会社ビジョナリーホールディングス 執行役員 デジタルエクスペリエンス事業本部 本部長
 1982年4月26日佐賀県生まれ。大学卒業後、サンエー・インターナショナルに販売・営業アシスタントとして従事後、サイバーエージェントグループのクラウンジュエルへ。ありとあらゆる業務に携わり2010年にクレッジに転職し、EC(電子商取引)事業の責任者として自社サイトの売上げを2倍以上、EC全体を2年で2倍に拡大する。13年7月よりメガネスーパー入社。17年11月よりビジョナリーホールディングスを兼務。18年5月に執行役員就任。デジタルハリウッド大学のオンライン講師や文化服装学院の非常勤講師なども務め、幅広く活躍している。