デスクワークの人が、就業時間の大半をここで過ごすといっても過言ではない「オフィスチェアー」。足腰をはじめとする体全体を支えており、目立たないけど重要な役割を担っているのは間違いありません。にもかかわらず、私たちは自分が使っているオフィスチェアーについてほとんど関心を持っていないのではないでしょうか?

自分にオフィスチェアーが「合ってない」と自覚している人は4割以上に

今回ご紹介するのは「コクヨ株式会社」が会社員、経営者・役員を対象に実施した、オフィスチェアーに関する意識調査。まずは会社員と経営者及び役員それぞれに対して、「自分で選ぶことができるか?」と「自分の働き方に合っているか?」を質問。結果は次の通りとなりました。

オフィスチェアーを自分で選ぶことができるか?

会社員……できる14%、できない86%

経営者・役員……できる66%、できない34%

長時間働く一般会社員こそ、自分に合ったイスを選びたいものです。

オフィスチェアーが自分の働き方に合っているか?

会社員……合っている55%、合っていない45%

経営者・役員……合っている71%、合っていない29%

経営者や役員の66%がオフィスチェアーを自分で選ぶことができるのに対し、会社員はたったの14%。会社員のほとんどは、会社から与えられたイスをそのまま使用しているようです。その結果会社員の4割以上はオフィスチェアーが自分に「合っていない」と回答。座り心地の悪いイスで日々仕事をしているというのです。これでは仕事の効率も上がらない気がしますが、大丈夫なのでしょうか?

選ぶことができない一般会社員は、そもそもイスに関心がない?

一般会社員と経営者・役員で発覚した、オフィスチェアーに関する待遇の格差。とはいえ8割以上がオフィスチェアーを自分で選べない現実の中で働いている一般会社員は、イスにそもそも関心を持っているのでしょうか?

そこで同調査ではそれぞれが座っているイスについて、「メーカー」や「価格」といったことについて把握している人の割合を調査しています。

誰が選んだか知らなかったら、イスへの不満を誰に言ったらいいのか分からないかも?

知らない割合が一番多いのは「価格」。続いて多いのは「メーカー」ですが、こちらはイスを確認してみれば把握できるケースも多いのではないでしょうか?つまり、8割近くの人はそもそもイスに関心がないと言えそうです。さらに「イスを誰が選んだか」を把握していない人も7割以上。オフィスチェアーに関する情報も薄ければ、座る側の関心も低い。オフィスチェアーの現状は、かなり厳しいと言わざるを得ません。

さらに注目したいのは、オフィスチェアーの調節機能です。たいてい座る位置の高さを調節できる機能がついていますが、ほかにも座面前後調節や背もたれの角度調節といった機能が搭載されている人は44%。にもかかわず、座る位置の高さを調節できる以外の機能を使っている人は、わずか29%しかいないのです。

カラダや仕事のスタイルに合わないイスを長時間座っていると、肩こりや腰痛の原因にもなりそうです。

ちなみにコクヨによると、オフィスチェアーの選び方は働き方によって違うといいます。例えば長時間イスに座り、パソコン作業などで長時間同じ姿勢というケース。この場合は背もたれのリクライニングなどを利用して、体を意識的に動かせるイスがいいそうです。一方外回りなどが中心でイスに座る時間が短く、イスでは「休憩したい」意識が強い人のケース。この場合はリクライニングの可動域がより広く、体全体を受け止めてくれるイスがオススメだそう。

自分のオフィスチェアーに違和感がある人は、そのままにせず会社に相談してみてはいかがでしょうか?すぐには変わらないかもしれませんが、イスに関する意見を伝えるのは重要。仕事がより快適に効率良く行なうためにも、関心を持ち続けたいものです。

【調査概要】
調査主体:コクヨ株式会社
調査方法:インターネット調査
調査期間:2018年3月28日〜3月29日   
調査対象:20代〜60代の会社員/経営者・役員の男女
有効回答数 :1200名<会社員(管理職・一般社員):800名/経営者・役員:400名>