葉加瀬太郎が12日、都内で、主催する音楽フェス『葉加瀬太郎サマーフェス’18〜50thanks evolution〜』取材会をおこなった。取材会には、フェスに出演する小柳ゆきとゴスペラーズが出席し意気込みなどを語った。初出演となる小柳は「私自身も楽しみ」と言い、葉加瀬は「ピクニック気分で来て欲しい、我々はBGMとして最高の音楽をやる」と呼びかけた。

 『葉加瀬太郎サマーフェス』の前身は、2002年から毎年夏におこなわれている『情熱大陸スペシャルライブ』。今年からは、葉加瀬の50歳の生誕を機に夏の大音楽祭として名称を変えて今月28日に大阪・万博記念公園もみじ川芝生広場で、8月の4日と5日に、東京・葛西臨海公園 汐風の広場で開催する。大阪公演にはTUBEや押尾コータロー、東京公演の4日には藤井フミヤやゴスペラーズと小柳、5日にはさだまさしや鈴木雅之らが出演する。

 会場には葉加瀬、続いて小柳、そしてゴスペラーズが葉加瀬の誕生日を祝い「ハッピーバースデー」をアカペラで歌いながら登場。葉加瀬は「1月だって(笑)」と笑って応じた。

葉加瀬太郎

 真夏日の開催となる同フェスについて、葉加瀬は「ここ5、6年ですかね。スタッフにもそろそろ5月くらいの開催にしないか? と言ってるんですけど(笑)。50になりますと、体力もどんどん落ちて大変なんですよ。2年くらい前かな、ステージ上に温度計が置いてあるんですけど、昼2時くらいには50度を超えるんですよ」と夏日の野外ライブの実情を明かす。

 ゴスペラーズの村上てつやは「夏の暑い日にばっちりスーツを着て、何でそこまでやるのかというのを観たいっていうのもありますよね?」と言うと、葉加瀬は「マーチンさん(鈴木雅之)がいらっしゃるんでしょうがないんですよ」と本音を漏らす。すると、村上は「マーチンさんは野外フェス、本当は大嫌いなんですけどね(笑)」と返し、北山陽一から「おい! ちょっと…」とたしなまれる場面も。

 2005年に『情熱大陸スペシャルライブ』で村上と酒井雄二が鈴木雅之のステージでラッツ&スターの曲を共演したことから、2006年に“ゴスペラッツ”として参加。ゴスペラーズとしては2012年に同フェスに初出演している。

 村上は「鈴木さんは『野外フェス大嫌いなんだ』と言ってたんですけど、『太郎が大好きなんだ。太郎のやることには俺はいつでも協力したい』と仰っていて、2005年に誘われまして。それが縁でゴスペラーズとラッツさんを合わせてゴスペラッツというグループを作るきっかけになったので、本当に太郎さんには感謝しております」とエピソードを明かし、改めて葉加瀬に感謝。

小柳ゆき

 フェスの前日には“前夜祭”と称し、出演アーティストで飲み明かすという。葉加瀬は「皆さんお飲みになられる方が多いので、それがキツイ(笑)」と冗談気味に話す。村上は「でも、アーティストさんの普段聞けない様な“深イイ話”も聞けるのでそれが良いですよね」と前夜祭について語る。

 葉加瀬は「そうですね。普段会わないアーティストさん達が、『今度ゲストに来てくださいよ』とか、それこそゴスペラッツのような機会ができればいいなと初めから思っていたことなので嬉しいです」と前夜祭の意義について話す。

 さらに「夏フェスとか出させて頂いたんですけど、出て直ぐ帰ったりしていたので『つまんないな』と思っていました。それでみんなで一つになって、一つのショーを作れたらと始めたフェス」と同フェスに込めた想いも明かした。

 そして、今回が初出演となる小柳。彼女は「私がデビューしてすぐの時に葉加瀬さんに弾いてもらったことがあって。その時はレコーディングが別で、お会いしたことはなかったのですが、是非出たいなと思っていたので嬉しいです」と出演を喜んだ。

 葉加瀬は「一緒にやりたいなと思って、せっかくだから僕のステージで歌ってもらいたい」とセリーヌ・ディオンの「トゥ・ラヴ・ユー・モア」を選曲。同曲には葉加瀬が所属するバンド、クライズラー&カンパニーが参加しており葉加瀬は「3年くらい一緒にワールドツアーを回って、この曲は500回以上弾いてますよ」と振り返る。これからリハーサルが始まるといい、小柳は「荷が重いなとは思っております。頑張りたいです」と意気込んだ。

 また、葉加瀬はゴスペラーズとトム・ジョーンズの1969年のナンバー「ラヴ・ミー・トゥナイト」を共演したい、とこの場で申し込んだ。黒沢薫は「僕らは関根勤さんのものまねがなじみ深いのですが、頑張ってみます」と話す。

 ゴスペラッツのように、アーティスト同士のコラボレーションが見ものでもある同フェスだが、ゴスペラーズは藤井フミヤと共演する。安岡優は「フミヤさんにチェッカーズの曲を一緒にやろうよと言われて『ミセス マーメイド』を一緒に歌わせて頂くことになりました。リハーサルでフミヤさんの曲を聴くのも楽しみ」と語った。

 最後に、小柳は「私自身も楽しみにしています」と言い、村上は「一緒に来る人同士で準備から楽しんで、車や電車で会場への道中、どういう曲をやるか予想しながら来てくれるのも楽しいかなと思います」とフェスの楽しみ方を提案。そして、葉加瀬は「このフェスは、お客さんが主役でピクニック気分で来て欲しい。我々はBGMとして最高の音楽をやるだけです」と呼びかけた。【取材・撮影=松尾模糊】