米国と中国のスパコンの性能をめぐる争いは激しさを増していると言えるが、日本も世界一をめざして開発に余念がない。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国はスーパーコンピューター(スパコン)の分野で世界をリードする国の1つと言えるだろう。2018年6月に発表されたスパコンの性能ランキング「TOP500」で中国のスパコン「神威·太湖之光」は米国のスパコン「Summit」に首位の座を譲って世界2位となったものの、「神威·太湖之光」は2016年6月から2017年11月まで世界1位の座を維持し続けた。

 米国と中国のスパコンの性能をめぐる争いは激しさを増していると言えるが、中国メディアの澎湃新聞は11日、世界的に見れば日本もスパコンの分野で「軽視できないライバルと言える」と主張、日本が2021年をめどに「世界一」奪還を目指していると伝えている。

 記事は、富士通と日本理化学研究所が次世代スパコンであるポスト「京」の研究開発を進めていると伝え、「日本側はポスト京で世界一を奪還したい考えだ」と紹介。スパコン「京」は「TOP500」で世界1位を獲得したことがあり、開発が進められているポスト「京」は、「京」の毎秒1京回の計算速度の最大100倍の性能となる見込みであることを伝え、「完成すれば日本のスパコンが再び世界一を奪還することも可能」であることを紹介した。

 続けて、中国の清華大学の楊広文教授は「スパコンは国家安全保障のみならず、経済競争や科学技術の向上において非常に重要な存在」だと述べていることを紹介する一方、中国がスパコンの分野で世界をリードし続けてきたことは米国政府や米国の研究機関を大いに刺激し、米国は近年、スパコン開発の資金投下を積極化していると強調した。

 さらに、米国や日本がスパコン開発に力を入れるなか、中国は再び世界一を奪還することはできるだろうかと問いかけつつ、中国でも現在、「エクサ級」と呼ばれる1秒間に「1兆の100万倍」回の計算が可能なスパコンの開発が進められていることを紹介。日米中によるスパコン開発競争は「エクサ級」スパコンを舞台に、さらに激化していく見通しだと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)