「台風休み」をめぐり異なる判断を示す(左から)柯文哲・台北市長、朱立倫・新北市長、林右昌・基隆市長

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(台北 12日 中央社)台風8号の接近に伴う11日の休業・休校措置(台風休暇)について、台北市、基隆市、新北市の北部3市が10日夜、異なる決定を下したことが議論を呼んでいる。市民の安全に対する憂慮や措置の実施による経済活動の停滞、政治的立場などさまざまな要素がからみ合い、3市の首長は難しい決断を迫られた。

隣接する3市は通勤・通学による人々の往来が頻繁なため、これまで台風の際には措置の実施について3市間で協議を行い、歩調を合わせてきた。だが、今回は新北市のみ、終日の休業・休校措置を実施。3市で異なる対応がとられたのは2012年に台風休暇について措置を統一することで3市が合意して以来初めて。

判断が割れたのは、当初発表を予定していた10日午後8時の時点で、台北市と基隆市は風雨の状況が措置を講じる基準に達していなかった一方、新北市では沿岸部など一部地域で基準を満たしていたためだ。台北市と基隆市が発表を延期する中、新北市は午後9時ごろ、他の2市に先立って措置の実施を宣言した。

与党・民進党の林右昌・基隆市長は翌11日、野党・国民党の朱立倫・新北市長を批判。シンガポールを訪問中だった朱市長について「海外にいたから非難されるのを恐れ、思い切って全部休みにしたのだろう」と不満をあらわにした。別の民進党の立法委員(国会議員)は、朱市長の決断は11月末の選挙を見据えたものなのではと指摘。帰国した朱市長は12日、「同じ状況が再び訪れても同じ決断をするだろう」とコメントし、あくまで市民の安全を優先したことを強調した。

無所属の柯文哲台北市長は、措置を講じなかったことについて、同市は台湾大学の気象予報チームと長年連携してきたとした上で、「(彼らの)専門性を尊重した」と説明。台北市のおよそ8倍の面積を有する新北市に関して、地域ごとに異なる措置をとることの検討を提言した。

柯市長は、IT企業など520社余りが集結する新竹サイエンスパークでは、台風休暇による損失が1日で40億台湾元(約150億円)に上るとされていることに触れ、市は民意や気象情報、経済的影響などを総合して考慮する必要があるとも語った。

(梁珮綺、陳妍君、温貴香、李淑華、黄旭昇、王朝ギョク、呉睿騏/編集:楊千慧)