9カ月前にはUAEのクラブを率いていたダリッチ監督は、クロアチアを決勝の舞台へ導いた【写真:Getty Images】

写真拡大

UAEのアル・アインから17年10月に監督就任 イングランドとの激闘を制しW杯決勝へ

 ロシア・ワールドカップ(W杯)で史上初の決勝進出を果たしたクロアチアを率いるズラトコ・ダリッチ監督。

 9カ月前にはUAEのクラブを率いていたが、そこから歴史的快挙の目前に迫っている。

 UAEメディア「ザ・ネーション」によれば、120分間の死闘の末に2-1で勝利した現地時間11日の準決勝イングランド戦後、ダリッチ監督は「あらゆる面で我々が優れていた。彼らを過小評価することはなかった。彼らのことを分析し、リスペクトしていた」と、一切の油断なく試合に臨んでいたと語った。

 決勝トーナメントで3試合連続の延長戦で、心身ともに疲労はピークに達していたはずだ。とりわけイングランド戦の前半は選手間のパスが乱れ、なかなかチャンスを作り出せなかった。

 それでも主将のMFルカ・モドリッチを中心に前からプレスをかけ続け、驚異の粘り強さで逆転勝利を呼び込んだ。指揮官も選手たちのパフォーマンスに満足げだ。

「我々は彼らがどこで何をしてくるのか分かっていた。彼らのバックラインまでハイプレスをかけた。(ジョン・)ストーンズと(ジョーダン・)ヘンダーソンに迫り、彼らを無効化した。ハーフタイムには選手たちに『落ち着いてパスをしろ。取り乱すな』と伝えたよ」

フランスよりも実質1試合多く戦うハンデを克服できるか

 指揮官の指示通り、冷静さを取り戻したクロアチアイレブンは、後半にMFイバン・ペリシッチがゴールを挙げて一気に勢いを手にする。そして、延長後半4分にはFWマリオ・マンジュキッチが決勝ゴールを奪った。

 このロシアW杯で見事な手腕を発揮しているダリッチ監督だが、就任したのは昨年10月のこと。欧州予選で敗退の危機に陥り、アンテ・チャチッチ前監督が解任されたことを受けて白羽の矢が立った。それまではUAEのアル・アインで指揮を執っていた。

 衛星放送「FOXスポーツ」はこのサクセスストーリーについて、「ズラトコ・ダリッチ監督の夢はUAEのクラブから9カ月でワールドカップへ」と特集している。代表監督就任から1年足らずで、歴史的偉業を成し遂げようとしている。

 中3日で迎える決勝戦。15分ハーフの延長戦を3戦連続でこなし、対戦相手のフランスよりも実質1試合分多くプレーしている。身体的疲労は計り知れないが、母国へ悲願の初タイトルをもたらすことができるだろうか。(Football ZONE web編集部)