1―6月のビール類課税出荷数量についてPB商品の扱いで各社の思惑が交錯

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 ビール大手各社が11日にまとめた1―6月のビール類の課税出荷数量について、受託生産している流通企業のプライベートブランド(PB)商品の扱いで各社の思惑が交錯した。イオンが6月に発売した第三のビール「バーリアル」の製造をキリンビールが受託し、これをキリンの数量に加算することが議論になったため。今回、ビール酒造組合が第三のビールの公表値にPB構成比として2・7%を明記。ただ、PB分の数量が拡大していけば、この扱いを公平に捉える基準が必要になる。

 各社の販売数量については、客観性を持たせるため1992年から課税出荷数量をベースに発表し、各社のシェアを計算してきた。課税はメーカーで手続きするため、PB分もそのメーカーの数量に乗る。

 キリンの場合、第三のビールの数量2481万8000ケース(1ケースは大瓶20本換算)のうち、約7%の170万ケース強がPB分になる。さらにバーリアルの年間販売数量は1000万ケースを超えるボリュームになるという。

 PBに関しては、2017年にサッポロビールがすでにイオンから第三のビールを受託製造している。今回、他社が販売する数量をキリンのシェアとして加えることが、業界の中で議論になった。ただ、ビール類市場の漸減傾向が続く中、PBという存在が大きくなり無視できなくなったことが背景にあるようだ。
 
サントリービールは公表値に占めるPB分の数値を、可能な限り明らかにすることが望ましいと主張する。アサヒビールは変化の状況を伝える分かりやすい指標になればという。