延長後半4分、マンジュキッチ(左)が決勝点を奪う。(C) Getty Images

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 ロシア・ワールドカップの準決勝、クロアチア対イングランドが現地11日、モスクワのルジニキで行なわれ、クロアチアが延長の末に2対1でイングランドに勝利した。

 試合は序盤から動いた。5分、イングランドのアリのスピード溢れる突破に、背後から追いかけたモドリッチがたまらずファウル。このゴール正面からのFKをトリッピアーが右足でねじ込み、イングランドが先制した。

 決勝トーナメントに入り、3試合連続で先制を許す展開となったクロアチアは、モドリッチやラキティッチといった中盤のキーマンを軸にチャンスメイク。しかし、ややリトリートして構えるイングランドの堅守を崩し切ることができない。

 するとイングランドは、前掛かりに攻めるクロアチアの裏を突いて効果的にカウンターを発動。35分にはケインの突破から、最後はリンガードが絶好のチャンスを迎えるが、シュートはゴール右に外れた。

 クロアチアは前半終了間際にもラキティッチが相手のパスをカットして、チャンスを迎えるがシュートを打ち切れず。結局、前半はイングランドが1点をリードして終了した。

 後半は、ともにメンバー交代なくスタート。前半と同様、同点に追いつきたいクロアチアが人数をかけて攻め込むのに対し、イングランドは堅守速攻で対抗。ともに、ゴール前のシーンを作り出し、一進一退の攻防を見せる。

 クロアチアは60分過ぎから、マンジュキッチを起点に、レビッチ、ペリシッチの両サイドを活かした攻撃で徐々にイングランドを押し込んでいく。そして68分、ヴルサリコからのクロスに反応したペリシッチが左足で合わせゴールネットを揺らす。クロアチアがついに同点に追いついた。

 クロアチアは71分にも、ペナルティエリア内に侵入したペリシッチがドリブルでの鋭い仕掛けから左足で決定的なシュート。だが、これは右ポストを直撃し、ゴールはならず。

 83分にはマンジュキッチがペナルティエリア内で右足を振り抜くが、これはGKピックフォードがキャッチ。直後の84分にもペリシッチが無人のゴールに向かってシュートを放ったが、枠を捉え切れない。終盤は、クロアチアに決定的なチャンスが再三訪れるが決めきれず、試合は延長戦に突入した。

 延長戦に入り、先にチャンスを掴んだのはイングランド。得意のセットプレーからストーンズがヘディングシュートでクロアチアゴールを狙うが、ヴルサリコが間一髪クリアして得点を許さない。逆にクロアチアは延長前半の終了間際、ペリシッチからのクロスにマンジュキッチが飛び込むが、GKピックフォードが身を挺して阻止。互いにチャンスを活かせず前半を終え、勝負は後半の残り15分に委ねられる。

 そして延長後半の109分、均衡を破ったのはクロアチアだった。敵陣に押し込んだクロアチアは、高く舞い上がったボールにペリシッチが反応。ヘディングでゴール前に落とすと、これをDF間から飛び出したマンジュキッチが左足で押し込んだ。

 クロアチアは終盤、イングランドの猛攻を凌ぎ2対1でタイムアップ。クロアチアは史上初の決勝進出を決めた。一方のイングランドは、52年ぶりの決勝進出はならなかった。
 
 決勝は現地7月15日、モスクワのルジニキで18時(日本時間15日深夜24時)キックオフ。クロアチア対フランスのカードで行なわれる。