11日(日本時間12日未明)のW杯ロシア大会準決勝で対戦する両国で、政府の女性リーダーの明暗が分かれた。

 クロアチア(FIFAランキング20位)は8日の準々決勝で、PK戦の末に開催国ロシアを下した。同国初の女性大統領コリンダ・グラバル=キタロビッチ氏(50)は、ロシアのメドベージェフ首相と一緒にVIP席で観戦。観客席の自国サポーターたちに盛んに手を振った。試合後はロッカールームに直行して選手らを祝福。上半身裸の屈強な男たちと抱擁し、喜びを分かち合う姿が好感度を高めた。

 一方、同じ8日にスウェーデンを破り4強入りしたイングランド(同12位)は対照的。女性ではサッチャー以来2人目の英首相テリーザ・メイ氏(61)だけでなく、すべての閣僚と英王室メンバーがロシア入りをボイコットしているのだ。

 これは今年3月に英南西部で、ロシアから亡命した元スパイと娘が神経剤で襲われ意識不明となった事件を受け、メイ首相が表明した。しかも先月末には英南部で、新たに英国人男女が猛毒神経剤を浴びて重体となり、女性が今月8日に亡くなったばかりだ。

 28年ぶりの準決勝進出に沸くサッカーの母国では、熱気に水を差す政府への反発も出ているが、メイ首相は改めて「ずっと言ってきたが、W杯の全試合が対象だ」と言明。たとえ決勝に進んだとしても方針は不変だ。