文部科学省の私立大学支援事業をめぐる汚職事件で、前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)が東京地検特捜部の調べに「(事業選定の依頼を受けたとされる)当時は官房長で、選定の職務権限はなかった」と容疑を否認していることが関係者の話でわかった。

 前局長が昨春、東京医科大学の前理事長らと会食していたことも判明。特捜部はこうした場で選定の依頼を受けたとみている模様だ。

 佐野前局長は、同大の臼井正彦前理事長(77)らから選定の依頼を受けた見返りに息子を不正合格させてもらった受託収賄容疑で逮捕されたが、依頼を受けたとされる昨年5月は官房長だった。関係者によると、佐野前局長は昨春、臼井前理事長と、共通の知人だった会社役員谷口浩司容疑者(47)=受託収賄の幇助(ほうじょ)の疑いで逮捕=を交えて会食していたという。会食が事業の申請期限に近かったことから、特捜部はこれらの機会を通じて選定の依頼や不正合格の約束がもたらされたとみている模様だ。

 谷口役員も特捜部に会食への参加は認めた上で、「大学から頼まれて事業申請に関する助言はしたが、佐野前局長に相談していない。前局長の息子の不正合格も知らない」などと容疑を否認しているという。