20〜30代の独身女性の彼氏がいない確率が50%を超える今。いつの間にやら少数派になった彼氏持ちの女性の中には、彼氏はいるもののセカンドポジションのまま、いつまでたってもファースト(本命)になれない女性たちがいます。彼女たちが本命になれない原因は何なのでしょうか……。彼女たちの過去の恋愛から、その原因を探っていきます。

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今回お話を伺ったのは、兵庫県のシティホテルでフロントスタッフとして働いている追田純子さん(仮名・30歳)。黒髪のショートボブヘアは天使の輪がはっきり見えるほどツヤツヤしていて、化粧気があまりないのに黒目がちな瞳が印象的。服装はクリーム色のTシャツに、ギャザーの入った黒のサロペットを着ており、服から出ている腕や足首などは細く、170センチ弱ある身長と相まってモデルのような雰囲気を感じる女性です。純子さんのセカンド気質はどこにあるのか――。生い立ちや、学生時代の恋愛から話を伺っていきます。

「出身は京都で、今は両親と2歳下に弟がいる4人家族です。父親は今は引退しましたが、高校教師で厳しく躾られました。学生時代はずっと門限がありましたし、1分でも遅れると家に入れてもらえませんでした。家は父の親の代からある平家の一戸建てで、締め出された時に縁側の雨戸をいかに音をたてないで開けるかが大学時代にはすごく上手になってましたね。ウチは絵に書いたような亭主関白の家だったので、母親は父親の言いなりで、親の期待は全て弟に向かっていました。なので、居心地は悪かったです」

初めて彼氏ができたのはいつですか?

「大学生の時に友人の友人として出会った、別の大学の同い年の子でした。彼のことは出会った時から少しいいなと思っていて、2人で遊ぶようになり、付き合おうと彼から言ってくれて付き合うことになりました。

彼のことはちゃんと好きだったんですが、彼にくっつきたくはなるのに、いざそういう雰囲気になると嫌悪感に襲われたんです。何度もそういう雰囲気になるのに拒み続けていたら、彼に距離を取られるようになってしまって……。別れたくなくて、付き合って半年ぐらいだった時に男女関係になりました。でもその行為は私にとって苦痛でしかありませんでした。一応ビデオや友人からのレクチャーで知識だけはあってので、彼との行為はノーマルだったこともわかっていました。でも、その行為が辛くて仕方なかった。一度は許せたものの、その後がダメになり、拒み続けたことで彼とギクシャクしてしまい、1年ももたずに振られてしまいました」

その後は少し気になる男性はできても、恋愛関係に発展することはなかったそう。しかし、職場では友人に恵まれます。

「大学を出て、企業に受付スタッフを派遣している会社に就職しました。そこはほとんどが女性で、同じ企業に派遣された女性と仲良くなったんです。彼女は1歳上で、私と一緒で恋愛の話題が全くなくて、他の人の輪にあまり上手に入っていけないタイプで意気投合した感じでした。23〜24歳くらいの時って、女性の主な話題ってほとんど恋愛になるじゃないですか。彼女はそんなこともなくて。私も派遣先の社員さんに少しいいなという男性がいたぐらいで、話したこともない人でしたから。彼女とほぼ毎日一緒に過ごしていましたね」

友人からのカミングアウトで自分の性に気づきがあり……

そんな中、友人からのまさかカミングアウトで、自身の性志向について気づいたことがあったと言います。

「彼女が無性愛者だとカミングアウトされたんです。誰のことも好きになれない、性行為もしたくない人だと。びっくりしました。でもその時、私が性行為に対して抱いていた感情とそっくりだったんです。私には性欲はあるんですが、性行為自体が自分に起こるものだと認識していないんです。彼女に私もだと言えた時、少し楽になりました。でも、私には異性に対して恋愛感情はあるんです。そこが彼女と異なるところでした」

自身の性志向についてその友人にしか言えずにいたものの、恋愛しない人生を受け入れようとしていたと言います。しかし、転職先で気になる男性ができたそうで……。

「27歳の時に、ホテルに転職したんです。配属先はフロントで、そこで3歳上のフロントのマネージャーをしている男性と出会いました。彼はスラッとしていて、肌も白くて綺麗で、清潔感溢れる人でした。そしてとても優しかったんです。私は父が厳しかったこともあり、反対の優しい男性に惹かれるところがあって。中途採用がその年は私しかいなかったみたいで、なかなか仲良くできる人がいなくて……。そんな私を見て彼は励ます感じでご飯に誘ってくれたり、他の人と仲良くできるようにみんながいるところで共通の話題を振ってくれたりしました。そんな姿を見て好きになってしまったんです。

彼への気持ちはバレないように、思い続けるだけでいいと思っていました。彼への気持ちは絶対に誰にも言わないと、態度に出さないと決めていました。でも、段々と彼からの個人的なお誘いや、メールなどが増えて、2人で会う機会も増えていきました。誘われたらやっぱり行ってしまうんですよ。会っている時は男女の雰囲気なんて感じなかったので、友人として付き合っていけるかもと思いました。でも、突然彼から告白されたんです。付き合ってほしいと」

断ったら彼に会えなくなる。自分さえ我慢すれば彼と一緒にいられると思った純子さんは彼と付き合うことを決めます。

「会えなくなるなんてどうしても考えられなかった。それにもしかしたら彼とだったら乗り越えていけるかもと思ったんです。小さな希望もあり、彼の告白を受け入れました。でも、やっぱりそういう雰囲気になると必死で話題を変えようとしている自分がいて……」

純子さんが彼に惹かれていったように、彼も恋愛感情があったから彼女に優しく接していたそう。

好きなのにどうしても関係を持てない。浮気を公認された彼が最終的に取った行動とは!?〜その2〜に続きます。