ガイガー主審に異議を唱えるコロンビア代表の面々。その母国代表の戦士たちを見て、国民も動き出している。 (C) Getty Images

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 ロシア・ワールドカップ決勝トーナメント1回戦のコロンビア対イングランドは、「ややヒートアップし過ぎた一戦」として議論を呼んだ。

 コロンビアの主将ラダメル・ファルカオは、アメリカ人のマーク・ガイガー主審が、「五分五分のプレーで常にイングランド有利の判定をしていた」と主張。同主審のレフェリングが、「恥ずべきものだった」と怒りを露にした。

 また、元アルゼンチン代表FWのディエゴ・マラドーナも、ベネズエラのメディアで、ガイガー主審を批判。イングランドの勝利は、「とてつもない強盗」と表現した。このサッカー界を代表するレジェンドの発言に、FIFAが「完全に不適切」、「まったく根拠がない」、「非常に遺憾」と逆非難したのは、周知のとおりだ。

 FIFAからの“お小言”を受け、マラドーナは7月5日、SNSでジャンニ・インファンティーノ会長とあいさつした際の写真を掲載。「自分の発言のいくつかは受け入れられないものだったと認める」と、謝罪した。

「一部の判定に反対の意見を持つことがあるにしても、私は協会や審判たちの簡単ではない仕事に対して絶対の敬意を払っている」
 

 だが、いまだイングランド戦の判定に納得していないコロンビアのサポーターは少なくない。署名サイト『change.org』では、大学で法律を学んでいるというコロンビア学生が、FIFAに再試合を要求する署名を募集した。

 この学生は、カルロス・サンチェスがハリー・ケインを倒してイングランドにPKが与えられた場面と、カルロス・バッカのゴールが認められなかった場面の判定が誤審だったと主張。「フェアプレーの前例」をつくるためにも、FIFAが2つの場面を見直すべきだと要求している。

 FIFAが試合のやり直しを命じることはないだろう。ただ、同募集開始から2日で27万人以上が賛同していることからも、コロンビア・ファンの不満が大きいのは想像に難くない。両チームの選手からも互いを非難する声も上がっており、今後に向けて禍根が残らないかが、懸念される。