1人の港区男子と繋がれば、100人の港区男子と繋がる。

人間は、同じステータスの者同士で一緒にいるのが一番気遣わずにいられるのだから、港区男子が港区男子と交流を深めるのは当然だ。

港区では、友人同士の何気ない会話から、ビジネスに発展することも少なくないと聞く。

では彼らは実際の所、どんな交友関係を持っているのだろうか?

今回は、その華麗なる交友録の実態に迫ってみよう。




【今週の港区男子】

名前:麻生さん(40代)
出身地:奈良県
職業:複数の美容外科クリニックを経営する医師
場所:六本木
交際:離婚歴あり


ひょんな出会いからファッションが激変


いわゆる「士師業」と呼ばれる職業の中で、トップクラスの収入を誇るのは? と聞かれたら、何を想像するだろうか。

結論から言うと、今回の取材で確信したのは、それは開業医、それも美容外科医だということ。

その理由はこの先、紹介していくとして…。

東京タワーを正面に見据える六本木エリアの高層タワーマンションに暮らす美容外科医・麻生さんが今回の主人公だ。



リビングの窓から広がる風景


全国に60のクリニックを展開している医療法人の理事長をする傍ら、東京美容外科の統括院長として自らも現役の執刀医として活躍している麻生さん。

185cmを軽く超える長身の体を艶やかな光沢を放つ濃紺のスーツが包み、貫禄は十分。ただし、クロムハーツの眼鏡の奥からのぞく瞳は、黒目がちで愛らしく、そのギャップがなんとも魅力的な麻生さん。

取材のため、彼のご自宅へと伺うと、まず案内されたのが「特注で作った」という衣裳部屋だった。



窓際に2体飾られたスターウォーズの衣裳は、ハロウィン用


まるでセレクトショップかのごとく、美しく陳列されたジャケットやパンツ、シャツ類はどれもシンプルだが、素材の上質さはひと目でわかるほど。

カモフラ柄やスカルなど、いわゆる港区系男子が好みそうな派手なアイテムは皆無。大人の男にふさわしい、センスあふれるクローゼットだ。


既製品ではないオーダーメイドとの出会い


すると紹介されたのは、彼が「全幅の信頼を寄せている」というオーダースーツ『プリンシプル』のテーラー、山内太郎さん。

このクローゼットに納められた服のおよそ8割は、彼が見立てたものだという。



コーディネートの提案もしてくれ、専属スタイリストのよう


「ファッションに関しては、まったくの素人。何が良くて何がいけないのかなんて、全然わからないじゃないですか。だから、彼に出会う前は僕も御多分に洩れず、柄物や色物に手出しをしていた時期もありました。

でも、彼にスタイリングをお願いするようになったら、“これ、どうしましょう?”って、元々の僕の私物だったスカルや迷彩柄のアイテムを持ってくるんです。“どうしましょう?”って聞きながらも、目は完全に“捨てましょう”って言ってる(笑)。結果、たくさんのアイテムを断捨離し、今の形になりました」

ちなみにこの山内さんとの出会いは「食事会だった」というから面白い。

「女性もその場に数人いたのですが、連絡先を交換して次へとつながったのが山内さん(笑)。ちょうどその頃、一度きちんと自分に合った服を作ろうと思っていた時期だったので、本当にタイミングが良かったんです」



仕立てたジャケットは軽く20着を超える


実際にオーダーしてスーツを作ったところ、既製品との違いに驚いたという。

「今までは、丈は合っても前が閉まらないとか、ウエストは合うけれど丈が短いとか、身長187cmゆえ、完全にフィットする服に出会えることは日本では少なくて。常にどこかフィットしない部分を抱えていたんです。でもシャツ、ジャケット、パンツ、すべてをオーダーするようになったら、その着心地のよさにも感動しました」

そして、身につける服が変わると同時に、付き合う人間も変わってきたという麻生さん。

そんな麻生さんから取材班は、ある驚きの提案をされていたのだった。


別荘のある河口湖で出会った錚々たる経営陣たち


実は麻生さん、六本木のマンションだけでなく神戸にも家があり、さらに河口湖には別荘を持つ。

この取材も最初は「ヘリをチャーターするので、ぜひ皆さんを河口湖の方にご招待させてください」と麻生さんから提案されたのだ。

麻生さん曰く、「ヘリであれば15分くらいで着くので。僕もいつもそうしてますから」とのこと。

ありがたいご提案であったものの、やはり「東京での住まい」を紹介するのが我々の使命だと考え、泣く泣く河口湖は辞退した、という経緯がある。

そんな麻生さんが別荘を河口湖に持ったのは、ウェイクサーフィンやウェイクボードなど、大好きなマリンスポーツを存分に楽しみたかったからだとか。しかし、その河口湖で運命的な出会いを果たす。


出会いはナンパ! 河口湖の別荘族コミュニティに仲間入り

ブラウンを基調にした落ち着いたインテリアのリビングだが、少し前は西海岸風だったとか


ある週末、いつものようにウェイクボードを楽しんでいると、「BBQしているから、来なさいよ」と初老の男性に声を掛けられたのだという。

「面白そうなので、ついていったら、驚きました。日本を代表する錚々たる企業の経営者の方々が集まっていて(笑)。みなさん、河口に別荘を構えていたことで、コミュニティが出来ていたようです。僕は圧倒的に最年少でしたけど、なぜか可愛がってもらって。あのときナンパされなかったら、今の自分はないですね(笑)」

普通なら臆してしまうような場面だが、麻生さんはそこですんなりなじんでしまったというからすごい。

そして、彼らとの出会いによって、自身も大きく変化したという。

「まず慌てたのは身なりです(笑)。休日だというのに、みなさんきちんとした服装を必ずしているんです。もちろん、ネクタイにスーツ、というわけではないですが、Tシャツに短パンにビーサンなんていう方は1人もいなくて。それを見たときに、自然と“ヤバイな…”と思いました(苦笑)」



眼鏡はクロムハーツ、ベルトはエルメスとさりげなくハイブランドを取り入れていた

週7日外食! 会食に指名するお気に入りレストランは・・・


そのことをきっかけに、前述のように自身のクローゼットを一新。山内さんに相談し、仕事用のスーツから休日のジャケットスタイルまで、“まずは形から”揃えたとか。

「河口湖グループの端っこに入れていただいてからは、経営面でアドバイスをもらったり、人を紹介して頂いたり、ビジネスにつながる出会いがたくさん。企業成長率にも如実にそれは反映されていて、本当に感謝しかないです」

とはいえ、トップクラスの経営者たちと付き合うのは、なかなか大変だろうと邪推するのだが。

「絶対にしないと決めているのは、ドタキャンと遅刻です。当たり前のことではありますが、みなさん僕の何倍も忙しい方々なわけで。そんな中でも遊びと仕事をきちんと両立されている。だから、いかなる理由でもそれは言い訳。這ってでも行くようにしています(笑)」



「きちんとした時計をしていないと馬鹿にされちゃうんで(笑)」と、ウブロ、パテック・フィリップを所持


週末は彼らと河口湖で過ごすことが多い麻生さんだが、平日の夜はすべて接待や会食で埋まる。

その際の会場に選ぶレストランは、「個室があって、サービスが一流であること」。年配の経営者と会うことも多いため、ジャンルとしては和食が多いとか。定番はふぐの『味満ん』、鉄板焼きの『六本木うかい亭』。

「失敗したくないので、いつも同じチョイスになってしまいがち(笑)。あと最近だと夜は炭水化物を摂らないという方も多いので、『うしごろ』など肉系も多いです。イタリアンなら『アッピア』もお気に入りですね」

経営者としても美容外科医としても、今もっとも勢いに乗り、働き盛りという印象を受ける麻生さんだが、実はもうひとつの顔があった。


週3回、音大生としてヴァイオリンを専攻


麻生さんのもうひとつの顔。

それは、音大でヴァイオリンを専攻する学生としての顔だ。



完全防音ゆえ、隣人に気を使うことなく存分に音を出せるそう


「実は小学2年生まで、親に半ば強制的にヴァイオリンをやらされていて。もう嫌で嫌でレッスン日には先生から逃げ回っていたくらい(苦笑)。この経験がトラウマになって、音楽が大嫌いになったほど。

でも2年ほど前に、“言葉と音楽は、人間だけに与えられている”という話を聞きまして…。ならば音楽をやらないのはもったいないのではないか!と、約30年ぶりに奮起したんです」

最初は週に1回、個人レッスンを受けることから始めたというが、ある名器との出会いによって、ヴァイオリン熱がヒートアップ。ついには、音大に入学することまで決意したというのだ。


音色に惚れて購入した6億円の「ストラディバリウス」


その麻生さんの運命を変えた名器とは…。

まったくの音楽素人でも聞いたことはあるであろう、ヴァイオリンの最高峰、「ストラディバリウス」。



ヴァイオリンは乾燥が大敵。湿度管理が重要ゆえ、ケース内には湿度計も


「最初は続けられるか自信もなかったので、イタリア製の250万円のヴァイオリンを購入したんです。いつ辞めてもいいよう保険をかけたつもりで(苦笑)。でも車も乗り心地に違いがあるように、ヴァイオリンも物によって、音色が全く違う。

それを知ってしまったら、もっといいものを、という欲が止まらなくなってきてしまって。そしてやはりと言うか、いつかはストラディバリウスを手に入れたい!というところまで来てしまいました(笑)」

だからと言って、本当に6億円もするヴァイオリンを買うというのは、凡人にはまったく理解できないのだが…。

そもそも「ストラディバリウスください」と言って、買えるものなのか?



約300年前の音色は色褪せない


「買えないです(笑)。楽器商も客をきちんと見極めますから、簡単には手に入りません。どこまで本気なのか、売ったとして、それにふさわしい人間なのか、彼らはすごく見ているんです。それはストラディバリウスが世界で500挺しか存在せず、そのほとんどが過去の所有者がすべてわかるようになっているからなんです」

しかし、麻生さんはあきらめなかった。

まずはイタリアの「スカランペラ」の100年前のモダンヴァイオリンを一挺、3,000万円で購入。

他にも「ヴァイオリンの伴奏用に」とスタインウェイのグランドピアノを1,500万円で購入するなど、楽器商との付き合いを密にし、自分は本気でストラディバリウスを探していることを見せ続けた。



週1回の個人レッスンはこのリビングルームで。テレビはない

ヴァイオリンが連れていってくれた音大という新しい世界


そしてようやく手に入れたのが、1698年のストラディバリウスだ。

「いざ目の前にしても、さすがに実際に購入を決意するまでには6か月かかりました(笑)。でも、世界的な文化遺産なわけですし、所有者として歴史に自分の名前が刻まれると考えたら、ワクワクが止まらなくて。

また、何挺か実際に弾いた中でも、これは特に第3ポジションと言われる高音部分が素晴らしかったんです」

そう言って、たった2mという至近距離(!)でその音色を聴かせてくれた。

音楽にまったく疎い取材班をしても、確かにその音色は飴色のように艶やかで華やかな音であった(ような気がする)。

「音大は社会人入試を受験し、今年の春から週3回、授業を受けています。これもストラディバリウスに出会っていなかったら、考えもしなかったでしょうね。38人しかいない同級生の中で、たった1人の40代です(笑)。

また、ヴァイオリンを通じてプロの演奏者や楽器商など、新しい出会いも増えました。そういう意味では、ストラディバリウスが新しい世界に連れて行ってくれたと言えるかもしれません」

麻生さんのヴァイオリン愛は止まらない。

▶NEXT:7月13日 金曜更新予定
真っ赤なフェラーリを乗りこなす港区男子が登場