私たちが欲しいのは、ガリガリでもムキムキでもない、適度に筋肉がついたしなやかなボディ。山口絵里加さんが女性の体を考えて開発した「美コア」のプログラムなら、健康と美しい体が同時に手に入ります。まずは毎日の意識を変えることから。

ダイエットで体調を崩したりキレイから遠ざかったりしたら、それは本末転倒。スポーツトレーナーの山口絵里加さんが医師や管理栄養士らと考案した「美コア」は、ボディラインを引き締めながら、心身の健康も叶える新しいメソッドだ。山口さんがまず注目したのは、体温。現代女性は平熱が35℃台と低体温状態の人が多く、これが痩せにくさ、ホルモンバランスの乱れ、冷え症、PMS、気分の落ち込みなど、女性特有の悩みや不調、さらにはたるみやシワなどの大きな原因になるという。

「冷えを防ぎ、いかに体温を上げるか。これがメソッドのかなめです。美コアでは生活習慣、運動、食事の3方向からアプローチして平熱36.5℃以上を目指します。体温が1℃上がれば免疫力が約30%、基礎代謝が約12%もアップする。つまり、痩せやすくなり、病気のリスクを減らしたり美肌効果を得たり、いいことずくめなのです」(山口さん)

そしてもうひとつ、美と健康の障壁となるのが、体のゆがみ。女性たちの多くはO脚やX脚の悩みを抱え、骨盤が正しい位置にない、と山口さんは指摘する。

「ゆがみは、座り方や重心のかけ方など生活習慣のクセから生じますが、見た目の問題だけでなく、臓器が圧迫されて血行不良や低体温を引き起こすことも。そこで大切になるのが体幹と呼吸です。正しい姿勢を覚え、体幹と呼吸を常に意識して生活や運動をすることで、ゆがみが整い、体温や代謝が上がり、しなやかな筋肉をつけることができます」

運動はできる範囲から始め、時間がない時は1日2分でもOK。まず普段の生活の中で、体温上昇、体幹と呼吸への意識づけを徹底させよう。

まずは体幹とゆがみをチェック!

交互の腿上げで体のバランスを確認

かかとに重心をのせて立つ。肋骨に手を当て、ラテラル呼吸(胸式の呼吸法※)で息を吸いながら太腿を床と平行になるまで上げ、息を吐きながら脚を下ろす。左右交互に各10回行う。

呼吸と脚の動きを合わせてリズムよく行おう。体幹がきちんと使えていない人は、途中で体がぐらついてくる。

※「ラテラル呼吸」とは肋骨をふくらますように息を吸って縮めるように吐く、胸式の呼吸法。肋骨を左右に広げながら鼻から息を吸い、肋骨を元に戻すように口から息を吐く。胸周辺で呼吸する感覚で。お腹回りの筋肉を刺激し、くびれ効果や内臓活性化にも。普段の生活からこの呼吸法を意識しよう。

脚に3つの隙間ができれば合格

脚を閉じて、かかともつま先もくっつけて、膝を外側に回すイメージでまっすぐ立つ。この時、膝とふくらはぎがきちんとつき、脚の間に3つの隙間ができるか確認する。

日頃から、立つ時に両脚の膝とふくらはぎがくっつくように意識すると、少しずつラインが整っていく。

やまぐち・えりか トレーナーとしてアスリートをサポートした経験を生かし、「美コア」を考案。全国のスタジオでレッスンを開催している。食に特化した新刊『美コア食トレーニング』(主婦と生活社)が7月6日に発売。

【体験したい人はここへ】美コア六本木スタジオ東京都港区赤坂6-19-45 コートモデリア六本木204 TEL:03・5843・8734 パーソナルトレーニング体験8640円〜、グループレッスン体験3150円。

※『anan』2018年7月11日号より。写真・中島慶子 ヘア&メイク・阿波根奈々子 取材、文・熊坂麻美