叶姉妹の普通は、一般の人にとっては普通じゃない。そんな2人が生きる自由な世界。そこに必要なのは責任と覚悟という、とてもシンプルなものだった。
言わずと知れた日本のスーパーセレブリティ『叶姉妹』がPeachyに降臨。

昨年話題になったコミケ参戦ではルールとマナーを完璧に熟知して挑む姿勢が絶賛されるなど、新たなファン層を広げている。

そのファビュラスでマーベラスな生き方の根底にあるスピリットとは? 
『これが私の生きる道』第3回目は、叶姉妹が語る「世界に通用する叶のポリシーとマナー」についてです♡

失望するのは期待した自分のせい。相手は悪くない。
――お二人のブログには名言がいっぱいありますが、「期待をしない幸せ」ってなかなか難しいです。
恭子さん(以下K):何に期待をするのでしょうか?

――「えっ、なんで?」と思うときは、無意識に相手へ期待しているなど。どうしたら恭子さんのように「期待をしない幸せ」ができるのか教えていただきたいです。
K:わたくしが元々そういう人間、ということもありますが、何事もすべてに感謝し、すべてに期待をしない。そうすることが、わたくしにとって“心地よい”ことだからです。

なぜならば、人はそれぞれ価値観がみんな違いますよね。
なので、「こうしてくれるんじゃないかな」なんて思っていても、相手は全くかけ離れたことを考えていたりすることも。

そういった世の中の様々なことを見ていると、期待してがっかりしてしまうのは自分のせいなのだと考えています。期待した自分のせい。相手は何も悪くないのです。あくまでもわたくしたちの考えですが。

――期待した自分が悪い。
K:例えば、夫婦のことに置き換えて話をすれば、妻が夫に期待をしているから、妻の不満が募るのではないでしょうか? 例えば「結婚記念日なんだから」と今日ぐらいお花の一本でも、ケーキの一切れでも買ってきてくれたらいいのにと期待する。

それでもし、夫が何もしてくれなかったら、「何それ…」と失望しますよね。でも、「何それ」と思うのは、結婚記念日を覚えていてほしいと妻が期待するから。

夫は結婚記念日すら忘れるような人かもしれないのに…。ということはどういうことかといいますと、そういう人を選んだのは妻自身だということなのです。

――結果自分で自分の首をしめていた!
K:首をしめていたと言うことではなく、ご自身の人生の選択の1つがそうだったと言う単なる事実ということなのです。

――夫婦のケースは例え話ですけど。そうですね、期待してがっかりした上に、しかもそれが自分の選択の結果だなんて…絶望ですね!
K:それがその方にとって絶望かどうかはわたくしにはわかりませんが。それがあまりにも嫌だったらその日に別れればいいだけのこと。
結婚と言うシステムに全く興味のないわたくしは、そのような出来事もそもそも起こりませんが。

わたくしの恋愛観について言えば、自分が会いたいときに会いたいところで、会いたい人に会い、したいことをする。それが自分にとって最も心地よい関係性です。

わたくしの愛のかたちは、日本ではとても特殊とされておりますが、最近やっと「ポリアモリー」という言葉で知られるようになってきました。

わたくしにとってのとても自然な愛のかたちとは、複数の人と 同時に、それぞれが"合意の上"でお付き合いをする(性愛関係を含む)ライフスタイルのことですので、浮気でも不倫でも二股でもない、むしろ「誠実で正直な複数恋愛」とわたくしは思っております。

わたくしは いわゆる恋人というカテゴリーを持ちません。
「僕って何?」と聞かれたら、あなたが自分で考えて決めて下さいといいます。ですから、「浮気」などという言葉も無縁です。

わたくしは「結婚=幸せ」という考えを全く持っておりません。今まで、数多く(外国人です)プロポーズされておりますが……。

結婚した次の日に、それ以上にときめく人がわたくしの目の前にあらわれた時、わたくしは、きっと約束を守れないでしょう。

結婚というその神聖な儀式の、その約束を守れないのであればするべきではない、とてもシンプルです。

それにそもそも、結婚というシステムに何の魅力も感じないのです。
このように正直に相手にお話しをして、わたくしの誠実な理由で何度もプロポーズを断っております。

ですから、もちろん人様の結婚についてとやかくいうことでもなく、その方々の結婚の選択が幸せであろうとなかろうとそれは、それで、素晴らしいですし、ずっと幸せでいらっしゃる方々はリスペクトで素敵です、と。

そして、わたくしの自分勝手なデートの相手の外国人トップモデルのグッドルッキング・ガイたちは未婚者ですので。

そして、彼らが自分勝手なわたくしに会いたくなければ、会わない選択肢があるわけですので
フェアな関係性です。(もちろん、そのようなケースはありませんが…。)

ジェンダーフリーでお互いとてもフェアな関係性。それから恋愛に限らず全てにおいて、基本的に自分の考えの押し付けや人様の迷惑になるようなことは、絶対にしないポリシーです。


その“当たり前”は固定観念かもしれない。

――今の若い人たちは、SNS上では自分を出せても、リアルで人と向き合うと上手くコミュニケーションが取れないことが多いように感じますが、そうなったとき“自分”というものは一体どこにあるのだろうと。自分の生き方を貫いていらっしゃるお二人にそのあたりを聞いてみたいです。
K:それは若い人だけではないと思います。年齢問わずそういう人はいるのではないですか? “今の若い人はこうだ”というのがそもそも決めつけで、固定観念ではないですか?

――言われてみればそうですね。
K:わたくしたちが人様と接する時に最も大切にしております叶のポリシーの1つに「自分の考えを人様に押し付けないこと」 があります。

自分というものがわからない方の多くは、知らないうちに他人の価値観に流され生きているケースがあります。そういう方は案外自分の曖昧な価値観を、人に知らず知らず押し付けているケースも多いようですね。

まずはご自身と誠実に向き合ってみるといろいろな見えなかったことが見えてくると思います。

――問題視する必要もないということですね?
K:日本は特に人様のことを、いろいろとやかく言ってみたりですとか、自分の考えを正しいがごとく人様に押し付けて見たりですとか、そういう風潮があるようにわたくしは思います。
あくまでわたくしの考えですが。でも、わたくしたちはそれを絶対にいたしません。

――自分は自分が思っている以上に固定観念にまみれている気がしてきました。例えば、この人はこういう人だからと決めつけて片付けていたりとか…。
K:それはそれで別に構わないと思いますよ。この人はこういう人だと思われることも含めて、それはその方の能力と生き方なので。

――「本当は違うのに」と思ったりはしないんですか?
K:先入観で作られてしまっているそのイメージは違うとか、本当はこうだとか、わたくしたちのことを絶対的にわかってもらおうなんて微塵も思っていないのです。

世の中のすべての人に好かれようなどと虫が良い事はそもそも考えておりません。
もちろん、私たちの愛する大切な皆さんとピースフルな心をシェアすることは、わたくしも美香さんもとても幸せを感じます。

――コミケのときも絶賛されていましたよね。それはコミケとコミケを楽しむ人たちへのリスペクトがあるからなのかなと思いました。
K:もちろんです。どこにお伺いするのであっても、自分たちが行きたくて行くのであれば、合わせること、馴染むためにきちんと理解していることが、とても大事なマナーだとわたくしは思います。それは世界中のどんなところへ行っても同じことです。

自分たちがしたいことだけをするのであれば失礼が生じてしまう。失礼にならないように、皆さんのご迷惑にならないようにするために何をするべきか。一番大事なことは、そういうことだと思っております。

私たちは今まで世界中の様々な国に興味を持ち、たくさんの国を訪れております。例えば、どこか未知の国へ行きたいと思うときは、その国が知りたい、きちんと文化も正しく深く知りたい、全てを知りたいと思って行きます。なので、その場所においての精神文化から学んで、最低でも3回以上は深く長く滞在します。

わたくしたちにとって、1回行ったくらいではその国を知ることなんてできないと、わたくしたちは思っています。なので、深く知るために自分たちのオーダーメイドの旅を作ります。ただ数日行って帰ってくるだけではなく、わたくしたちは行った場所と文化と溶け合いたいからです。

溶け合うためにはそこをよく知る、自分たちが満足いくまでよく知ることができたときには、自分たちはそこに自然と溶け合い、それはもう旅と言う名ではなくなっているのです。


「えーっ」というネガティブな意味での発言は禁止

――美香さんは恭子さんの一番身近にいる存在だと思いますが、恭子さんの言葉で「ハッ」と気づかされたこと、みたいなことはありますか?
美香さん(以下M):はい、それは日常的にたくさんあります。
例えば姉は「美香さん、これをしてちょうだい」とさも簡単なことのように、私にとっては無理難題を言うことがありますが、以前は「えーっ」とか「無理無理、絶対できない」という言葉をまず発していたんです。

でも、それを言うと姉に必ず叱られて、まず「えーっ」と言うメンタル自体がすでにネガティブな思考だと。「なぜ無理なのか?」「どこが無理なのか?」考えてみたことあるの、と言うことを言われ「うーん、じゃあ、やってみようか」と。

そう思ってトライしていくと、できることが結構あるのです。いまだにです。案外たくさんあるのです。

「やってもみないうちから、もうダメだと思ってしまうこと、その思考自体がよくない」ということを姉が教えてくれたおかげで、ハードルがどんなに高くても越えようとする、自分の知らない自分の力が当たり前に働くようになりましたね。

――無理そうに思えてもトライしてみると、意外とできるし、そしてできることが増えていくということですか?
M:例えば、ずっと昔のことですが、まだタイの国が身近でない頃、タイのオリエンタルホテルのプレジデンシャルスイートに滞在していたとき、「美香さん、今日ここでね、花火を見たいわ」と姉が言ったんですね。
「ディナーを食べる時間に花火が開くようにしてちょうだい」って。「え? 今日? 花火?」ってまず思いますよね。

とっさに「無理無理無理!」と言いました。誰にも何も聞いたわけではなく、自分の考えでまず無理だと思ったんですね。

それを姉に叱られて、それで自分なりに、ホテルのバトラーやコンシェルジュやマネージャーに相談してみたところ、OKということでその日のディナー時に花火が上がりました。
無理じゃなかったんです。やってみればできるのですね。こういう事は私の日常によくあります。

――「えーっ」とか「無理」ってつい言いがちですけど、まずはやってみるって大事ですね!
K:だからわたくしたちの間では「えーっ」は禁止なんです。「えーっ」って言うのは、「えーっ」って言っちゃう癖がついているから言ってしまっているだけなんです。

でも、「えーっ」は別に言う必要がないといえば、言う必要がないんですね。そこまで驚くことはあまりない。良い驚きの場合は良いんでしょうけど。

自分の中で“ない”と思っていることの驚きで、なおかつそれができないと勝手に思っている「えーっ」は絶対禁止になっています。今もそうです。

――では今は「えーっ」は使わないんですか?
M:いえ、言いますよ(笑)。言ったあと「あっ!」と思いますけど。

覚悟を持って、責任を負いながら自由に生きる

――素朴な疑問なのですが、恭子さんはどうしてそんなに思考が自由なんでしょうか?
K:自分が覚悟を持って生きているからです。人様からなんと言われようとも、世界中から学んだ確固たる自分自身の価値観と覚悟のある生き方をしているから責任を持つ、プライドを持つ、ということが常にあるからです。
もちろんそれは人様を尊重することにも大切なことだからです。

――覚悟、責任、プライド!
K:明日死んでも後悔しないように人生を過ごしております。もしかしたら死ぬかもしれないということは自然に覚悟しています。いつ何で死ぬかはどなたにもわからないこと。隕石が降ってくるかもしれないですし。

そういう意味で明日死んでも後悔のない人生を生きているので、自分がしたいと思うことをできているのです。自由には責任が伴いますよね。責任の伴わない自由は自由とは呼びません。

そして覚悟があるからこそ、何事にも情熱をかけられるのです。その情熱がどれほどあるかというのがわたくしの人間の生き方の温度差なのです。
人様には人様の情熱の温度差があるからです。わたくしの人生の全てが情熱ということに置き換えてもいいぐらい、情熱というのは大切なことです。

なので「そこにどれほどの情熱はありますか?」と聞いたときの答えが、とてもわかりやすいリトマス試験紙になるのです。

――情熱は生きることなんですね。
いえ、死ぬときもです。死ぬことが悪いわけではなくて、人間は生まれてきて必ず死ぬわけですから、死ぬときがネガティブなことなんてこれっぽっちも考えたことがないですよね。

――死ぬ=怖いって思っちゃいます。
一度も思ったことないですね。

――死は必ず訪れるからですか?
必ず訪れますし、なんでしたら自分で決めると思っていますし、当然それがわたくしにとってハッピーなことだと思います。ただそれはわたくしの考えであって、覚悟なくふわっと生きる、それもまたひとつの考えだと思います。

情熱のないことはしない。そんな生半可なことは面白くもなんともない。
と、あくまでもわたくしが思うだけなので。他の方がそうでなくとも、とても楽しいと思うのなら、それも素晴らしいことだと思います。

――お話を伺っていて、恭子さんや美香さんのように考えられたら、世の中は平和になりそうですね。
K:もちろん、わたくしはそう思います。自分も自由、相手も自由という生き方ですから。でも、その代わり責任のある生き方、自分の中できちんと責任を取っていかなければいけない生き方です。

そういうことがちゃんとできていれば、わたくしたちのような生き方は、実はとてもシンプルで楽な生き方だとわたくしは思います。





叶姉妹
叶恭子&美香。セレブリティライフスタイルプロデューサー。
「人生は全て自身の選択」「異端を恐れず、確信が持てることに従って生きる」「美は1日にして成らず」などの叶的持論に基づき日々を過ごしている、日本一レッドカーペットが似合う姉妹。「叶姉妹は存在自体がインスタ映え」と称賛される。
日々アップされる名言と美しい写真で話題のInstagramは、フォロワー数が450,000を突破! 

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interview_Midori Sasaki