2歳なのに歩けない、話せない息子…検査の意外な結果<発達障害のリアル>

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【ぽんちゃんはおしゃべりができない Vol.3】

 小学生5年生の娘と小学2年生の息子を持つシングルマザーの筆者が、発達障がいの息子・ぽんちゃんとのドタバタな日々を綴ります。

<前回のあらすじ>
近所の小児科で、ぽんちゃんは1歳のわりに成長が遅いと診断された。自分を責め涙する筆者だったが、「お母さんは、みんな初心者なの」というおばあちゃん看護師の言葉に救われた。

◆かわいい息子。でも歩けない、話せない…
 2012年の春。息子のぽんちゃんは2歳になった。

 相変わらず、二重でぱっちりおめめの顔は、めちゃくちゃかわいい。多分、将来は「MEN’S NON-NO」のモデルくらいできると思う。あぁ、そうか。これが親バカか。そう思いながらも、いや、これは親バカのレベルではないぞ。本気でイケるぞ。そんなことを毎日思いながら、iPhoneのカメラロールは息子の写真で埋まっていた。

 娘のみーちゃんは「もっと私の写真も撮ってよ!」と怒るが、娘もぽんちゃんのことを写真で撮りまくるから、ぽんちゃんの写真がたまる一方なのだ。我が家唯一の男性である息子は、本当にちやほや育てられていた。

 とはいえ、まだぽんちゃんは歩けない。もちろん、言葉も話せない。

 週1回通っていた小児科の先生から、「紹介状を書くから、大きな病院で調べてもらおう」というアドバイスをいただいた。すぐさま「そうします」と答え、次の週に電車で1時間かかる大きな国立の病院まで足を運んだ。

◆どの結果でも、すべてを受け入る
 その病院の待合室には、ベビーカーに似た小児用車いすに乗っている子や、ダウン症の子、片足が半分なくて、補助靴を履いている子など、明らかに“障がい”とわかる子たちがたくさんいた。私は息をのんだ。その瞬間、心の中で、何か“決意”が芽生えた。

 この子が、どの結果でも、私はすべてを受け入れよう。

 どうして、その瞬間に腹が決まったのか、わからない。でも、これがもしかしたら“母は強し”なのかもしれない。

 そして、ぽんちゃんの順番が呼ばれ、問診が始まった。その日、ぽんちゃんは神経内科、内分泌科、そして、停留睾丸もあったので外科、さらに目に少しの違和感を感じていたこともあり、眼科も受けることにした。丸1日その病院で、何度も何度もぽんちゃんの現状を話した。

 その後、停留睾丸の手術とともに、しっかりと成長ホルモンがでているかを調べるための入院も決まった。腹が決まった私の判断は早い。1泊2日で検査するその日に、すべての染色体検査ができると聞いた私は、すべての検査をしてくださいとお願いをしたのだ。

 1カ月後、息子の結果はすべて白だった。すべてが順調だというのだ。

 え、なんで? 成長曲線にも乗らない。言葉も出ない。歩けない。ごはんもちゃんと食べられない……じゃぁ、この子はなんなの!?

 原因がわからなければ、受け止めるにも受け止められない。病名や障がい名がつかないと、どう動いていいかわからない。かといって、明らかに健常児とは違う。

 そのころから、インターネットで毎日、ぽんちゃんの症状を検索していた。でも、同じような子供がいたとしても、それは、その子の原因であって、ぽんちゃんではない。インターネットに答えなんて、ないのだ。

 それでも、ぽんちゃんは抱っこひもの中で笑っている。ぽんちゃんは確実に、私の手の中にいる。

※Vol.4は7月16日に配信予定。

<文/吉田可奈 イラスト/ワタナベチヒロ>
【登場人物の紹介】
息子・ぽんちゃん(8歳):天使の微笑みを武器に持つ天然の人たらし。表出性言語障がいのハンデをもろともせず小学校では人気者
娘・みいちゃん(10歳):しっかり者でおませな小学5年生。イケメンの判断が非常に厳しい。
ママ:80年生まれの松坂世代。フリーライターのシングルマザー。逆境にやたらと強い一家の大黒柱。

【吉田可奈 プロフィール】
80年生まれ、フリーライター。西野カナなどのオフィシャルライターを務める他、さまざまな雑誌で執筆。23歳で結婚し娘と息子を授かるも、29歳で離婚。座右の銘は“死ぬこと以外、かすり傷”。著書に、女子SPA!での過去の連載をまとめた『シングルマザー、家を買う』がある。Twitter(@singlemother_ky)

【ワタナベチヒロ プロフィール】
漫画家、イラストレーター。お金にまつわる役立つ知識をオールマンガで1冊にまとめた著書『お金に泣かされないための100の法則』(ファイナンシャルプランナー山口京子先生が監修)が主婦と生活社より発売中。