制約なく開発したというGT-Rの理想形!

 日産自動車は、国内外の自動車デザインを手がけるイタルデザインと共同開発したプロトタイプ「Nissan GT-R50 by Italdesign」を公開した。これはGT-Rとイタルデザインがともに50周年を迎えることを記念した、特別な1台。ベースとなっているのは、2018年モデルのGT-R NISMOだ。

 何の制約もなくGT-Rを作ったらどうなるのか? その長年の願いを叶えるモデルが今回のNissan GT-R50 by Italdesignだ。イタルデザインは開発/設計/製造を担当。内外装のデザインは日産デザインヨーロッパと日産デザインアメリカが担当した。

 フロントは、車両の幅目いっぱいにゴールドパネルを採用。市販モデルとは異なる、シャープなデザインのLEDヘッドライトが与えられている。

 サイドビューは、ベースよりも54mm低くしたルールラインが特徴的。ルーフセンターが少し低くなり、抑揚のあるデザインとなっている。

 リヤは特徴的なウイングがまず目を引く。ゴールドを全面的に配置し、強烈な印象を与える。GT-Rの象徴とも言える丸テールは、空洞を囲む細いリングのようなデザイン。以前東京モーターショーで発表したコンセプトモデル「NISSAN CONCEPT 2020 Vision Gran Turismo」にも似た雰囲気だ。21インチの専用デザインホイールを装着し、堂々としたエクステリアに仕立てられた。

 インテリアはベースとなった2018年モデルの雰囲気も残しつつ、センターコンソール/インストパネル/ドア内張りに2種類のカーボンを採用。シートは黒のアルカンターラとイタリア製レザーを使用している。エクステリア同様、スイッチ類にもゴールドがあしらわれた。

 パワートレインも抜かりはない。手作業で組み立てられたVR38エンジンは、最高出力720馬力、最大トルク780N・mまで高められている。耐久力の高いクランクシャフト/ピストン&コンロッド/ベアリングなどを採用。カムシャフトや吸排気系の見直しも図られている。これに合わせ、6速DCTも強化タイプとなっている。

 残念ながら次期型を示唆するモデルではなく、あくまでGT-Rとイタルデザインの50周年を祝うスペシャルモデルとのこと。実車は間もなく欧州で公開される。ぜひ、GT-Rの故郷である日本でも、その姿を見てみたいものだ。