私たちはこれまでに散々、LINEやデートのHow toを学んできた。

しかし、LINEやデートに漕ぎ着けるまでに、まずは“出会い”という最初の関門が待ち受けていることを忘れてはいないだろうか。

初対面であんなに盛り上がったはずなのに、LINEは既読スルー。仮に返事が来たとしても、いつまでたっても前に進まない。そんな経験、無いだろうか?

“出会い”を次のステップに繋げる方法を学ぶため、あなたに宿題を出していこう。

さて、今週の宿題は?




沙羅と出会ったのは、アメリカンクラブで開催されていたパーティーだった。可愛い子がいるなと思っていると、向こうから積極的に話しかけてきてくれたのだ。

「お独りなんですか?」

そのパーティーは夫婦同伴やパートナー同伴できている人が多く、独りの僕は少し浮いていたようだ。

一方の沙羅も友人に連れてきてもらったらしく、僕たちはしばらく立ち話で盛り上がった。

「こういう会に連れて来られる人が、誰かいたら良いんだけど、独り身だからねぇ」

「え…?独身なんですか!?大輝さんみたいな良い人は、大概誰かに取られているのに」

自分で言うのも憚られるが、現在外資系のコンサル会社勤めで、家は麻布の低層マンション。元々親の家業もあり、悠々自適に暮らしている。身長180cm、留学経験のお陰で英語も話せるし、性格も至って温厚だ。

「え〜信じられない。こんな素敵な人がまだ東京に独身で残っていたなんて」

そんな会話をしながらその時は彼女とFacebookを交換しただけに終わったが、翌日メッセンジャーでお礼と挨拶を兼ねたメッセージが来た。

-沙羅:昨日ご挨拶させていただいた沙羅です。良ければまたお食事でもご一緒させて下さい(^^)


2人で会えるなら尚良しだが、最初から2人は向こうも嫌かもしれない。そう思ったので、とりあえず僕たちは4人で食事をすることになった。

そして食事中も満面の笑顔で積極的にアプローチしてきた沙羅。

しかし何故か、沙羅の態度が途中で急変したのだ。


悪くない条件の男。それなのにフラれてしまうのはなぜ?


宿題1:以下の会話文の中で、女性が引いたのはどこか述べよ


食事の予約は『アルカナ東京』にした。

最初は皆スローペースで飲んでいたが、お酒が進むにつれ各々の好きなタイプや恋愛観の話になる。

「沙羅ちゃんの好きなタイプはどんな人?」
「優しくて、身長が私より高い人かなぁ。あと、英語も話せたら嬉しいです!」

沙羅の好きなタイプを聞いて、思わずどきりとする。大概の項目を、自分はクリアしていると思ったから。

そんなことを思いながら、いつのまにか僕と沙羅は2人で話し込んでいた。




「大輝さんは、なんで独身なんですか?」

言うべきかどうか迷ったが、僕は昨年婚約をしていた。それを素直に伝えると、沙羅は少し驚いた顔をした。

「親からの反対が大きくてさ...うちの親、過保護というか相手の子の家柄とか、変なところに厳しくて。そうこうしているうちに、向こうが浮気しちゃったんだよね。…って、ごめんね!こんな話して」

当時、彼女のことは大好きだったが、僕の両親からの反対が大きく、結局婚約破棄となったのだ。

「むしろ話してくれて嬉しいです!大変でしたね。大輝さんは優しいから、女の子もつけあがっちゃうのかな。大輝さんと付き合える女の子って、本当に幸せですよね。羨ましい!」

「優しいのかな?自分ではよく分からないけど」

親の教育のお陰なのか“女性には優しく”と習ってきた。自分からすると特別なことは何もしていないが、女性からは優しいと言われることが多い。

「それより沙羅ちゃんは?彼氏とかいないの?」

一番聞きたかった質問を、ようやくする。

食事会に来ている時点で彼氏はいないのかな?と勝手に思ってはいたが、最近は既婚者でも平気で食事会に来る人もいる。

「実はこの前別れたばかりで...誰かいい人いないかなぁって、探していたんです」

「そ、そうなんだ。他には誰かいないの?」

そう尋ねながらも、心が少し踊る。

せっかく出会っても、向こうに彼氏か婚約者がいたら話は別である。しかし今は絶賛フリーとのこと。

尚且つ、別れたばかりならばまだ傷心中かもしれず、そういった時期は親密になりやすい期間でもある。

「次はどういう人がいいの?」

「うーん。大輝さんみたいないい人かな」

-これって、どういう意味だろう…?

そう思いながらも、僕は思わずニヤついてしまう。さっきから沙羅は僕だけを褒めてくれるし、グイグイときている。向こうが僕に興味があるのは明白だった。

しかし、この後予想外の結末が待っていたのだ。


優しい男が見落としていた、男としての大事な要素とは?


宿題2:優しい男に決定的に欠けているものを答えよ


「でも大輝さんが未だに独身なんて、本当に奇跡ですよね」

「そんなことないよ〜独りの時間が長かったから、逆に誰かと暮らしていけるのか不安もあるし。それにワガママなところもあるんじゃないかなぁ」

”困ったもんだよねぇ”と自虐的に笑いながらも、独りの時間も苦ではない自分がいる。結婚はしたいが、それぞれの時間を大切にできる人がいい。

「ワガママなんですか?そんな風に全然見えないのに」

「母親が過保護で、甘やかされてきたからね。あと自分1人の時間が結構大切で。一緒にいてもそれぞれ個々の時間を取れる人がいいなぁ。束縛されるの、苦手なんだよね」

「束縛は、私も嫌いだから分かります!でも女の子って、ずっとベッタリしたい子の方が多いから、バランスが難しいですよね」

そんなことを話しているうちにあっという間に時間は過ぎ、『アルカナ東京』の美しいデザートが運ばれてきた。




“うわぁ、綺麗!”なんて感嘆の声をあげた後も、沙羅は念を押すように再び褒めてくれる。

「大輝さんみたいな人と付き合える女の子って、絶対幸せですよね!デートも良いお店へ連れて行ってくれそうだし、優しいし」

再びこの台詞を言われ、僕は思わずスプーンを置いた。

「そうだねぇ。食べることが好きだから、お店は良い所へ連れて行くかも。沙羅ちゃん行きたい店ない?どこでも好きな所でいいから、今度一緒に行かない?」

何回かデートをして決める人もいるかもしれないが、大概は一度会えばわかるもので、第一印象は正しい。無い人は無いし、先に進む人は進むのだ。

そう思ったので、僕は沙羅をデートへ誘ってみた。

しかしこの後の沙羅からの回答に、僕はどう答えて良いのか分からなくなる。

「いいんですか?そしたら、今度またみんなでご飯行きませんか?私、大輝さんに紹介したい女の子がいるんです!」

「…え?紹介したい子?僕は沙羅ちゃんで良いんだけど…」

これは、遠回しに2人は嫌だということで、拒否されたのだろうか。

僕としてはデートの誘いのつもりだったし、他の女の子は求めてはいない。しかし、沙羅は頑なに首を縦には振らなかった。

「またそんなことを。私は大輝さんには勿体無さ過ぎるので。いつ空いていますか?」

遠回しに断られた、デートの誘い。

大輝:今日はありがとうございました!素敵な沙羅ちゃんとお話しできてとっても楽しかったです。次はいつにしましょうか?とりあえず今日はゆっくり休んで下さいね^^今週も残り2日、頑張って乗り切りましょう!お休みなさい。


解散後、キャラクターのスタンプと共に丁寧にLINEを送ってみても、結果は変わらずだった。

最初の掴みは良かったはずなのに、どうして次に繋げられなかったのだろうか。

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大輝に欠けていたものと、女性の気持ちが冷めた瞬間とは!?