気象庁は6月29日、関東甲信地方の梅雨明けを発表した。平年より22日、昨年より7日早く、6月に梅雨明けするのは観測史上初だという。

関東地方では2016年の6月、利根川水系の深刻な水不足から、神奈川県を除く1都5県で10%の取水制限が行われた。今年は6月6日の梅雨入りからわずか23日で梅雨明けしており、ネットでは「8月水不足必至なんちゃう?」「この夏は完全に水不足だね」と心配する声が多く出ている。

緊急に不足する状況ではないが「雨が降らないと厳しい。油断はできない」


国土交通省関東地方整備局利根川ダム統合管理事務所の担当者によると、利根川水系のダムの基準となる「栗橋地点上流域降水量」は、6月は例年の60%程度だという。8つのダムの29日0時時点での合計貯水量も61%と少なくなっている。

「降水量が少なく、厳しい状況なのは事実」というが、「貯水量については心配しなくて良い」とも言う。

「ダムは7月から9月の洪水期に備え、台風や豪雨の水を溜め込めるよう、意図的に水位を下げます。貯水量61%というと少なく見えますが、こうした運営背景を踏まえると例年並の数字です。平均に対する貯水量は88%なので、そこまで下がっている訳ではありません」

現在のところ、緊急に水不足に陥る心配はないようだ。

とはいえ、安心できるわけでもない。気象庁によると、今後1週間の関東甲信地方は高気圧に覆われて晴れる日が多く、降水量は例年より少なくなる見込みだ。

「雨が降らないと川の水量が少なくなり、ダムの放流量が継続的に多くなる。そうするとやはり厳しいですね。今日は台風が発生したともあるので、降雨があれば水位は回復しますが、油断はできません」(国交省担当者)

1996年には水不足で30%の取水制限 学校のプールが禁止に

仮に水不足が深刻化した場合、川から浄水場に送る水の量を減らす「取水制限」や、浄水場から家庭に送られる水を減らす「給水制限」が行われることになる。

取水制限は段階があり、10%だとほぼ影響を感じないが、30%になると、高台にある家庭の水道が出にくくなったり、学校のプールが禁止されたりするなど、日常生活に影響が出始める。首都圏では1996年に記録的な水不足となり30%の取水制限が行われている。更に深刻さが増すと給水制限が取られる。

国交省の担当者は、「渇水に備えてではなく、普段から水を大事に使うよう心がけて欲しい。風呂水の洗濯利用などを行っている家庭も多いと思いますが、こうした工夫を継続して行っていただきたいです」と、節水意識を高めるよう呼びかけていた。