女子向けのサウナ入門書『はじめてのサウナ』(リトルモア)大好評発売中の、マンガ家でありサウナ大使であるタナカカツキさんと、イラストレーター・ほりゆりこさんによる、サウナの手ほどき。堅実女子の皆さんの中には、記事を読んで「ととのう」体験をされた方もいるのではないでしょうか?4回目の今回は、サウナの開運効果について、お話を伺いました。〜1回目はコチラ、2回目はコチラ、3回目はコチラ〜

サウナの魅力を知り尽くす、漫画家・タナカカツキさん。サウナ大使のサウナ愛は高温のサウナより熱い。

サウナはある種のマインドフルネス!?

サウナで開運……本当かいな?と思ってしまう組み合わせですが、実際タナカさんご自身はサウナにハマるまでの日々を描いたマンガ『サ道』がヒット。「このマンガがすごい!2017」オトコ編の10位にランクインしています。また、原案を手がけたカプセルトイの『コップのフチ子』が、大ブレイク。そんなタナカさんを見て、「サウナが開運につながる」と感じているサウナーもいるようです。何か理由はあるのでしょうか。

タナカカツキさん(以下タナカ)「サウナは深くリラックスしますし、デジタルデバイスから離れて、“自分の思考”に集中します。その結果、余計なことにとらわれなくなり、好きなことに集中できたのかもしれません。サウナで開運?かどうかはわからないですが、サウナではいろんなアイデアが出てきます。実感する人も多く、同僚と一緒にサウナに行ったらいい企画ができた、なんてこともあるようです」

ほりゆりこさん(以下・ほり)「サウナで開運できたと感じるなら、それは“自分に集中する”からだと思います。雑念から自由になることは、いろんな意味でいいですね。私もサウナを知ってからは、それまで以上に前向きに仕事に取り組むようになり、『はじめてのサウナ』も出版でき、これも全てはサウナのおかげだと思っています」

なるほど、まるで“マインドフルネス”のようですね。ここでマメ知識ですが、経営者にもサウナーは多く、悩みがあるとサウナに行くという人もいるとか。サウナ好きの有名人と言えば、ロシア連邦初代大統領のエリツィン氏。サウナ内で人事や政策を決めていたことは、氏と親交があった佐藤優さん原作の『憂国のラスプーチン』(小学館)にも記されています。サウナ専門誌『saunner』 (小学館SJムック)の表紙には、サウナ愛好家として、小山薫堂さん、川平慈英さん、鈴木砂羽さんなどの名前が。有名なサウナ施設に行くと、国民的アイドルのサインなどが飾られていることも多く、成功者とサウナの密接な関係を感じられます。

また、サウナー女子に話を聞くと、サウナに行き始めてから「婚活がうまくいった」「仕事が順調になった」「人間関係が劇的によくなった」「年収が増えた」などの声も。

「サウナに行く前は、思い通りに動かない後輩にイライラしていましたが、何回か行くうちに“まあ、いっか〜”と思えるようになったのです。それからチームのパフォーマンスが上がりました。また、ぐっすり眠れたり、気持ちがスカッとして、イライラしなくなりました。週1程度のサウナ通い1年で、肩こりの改善と、3キロのダイエットに成功しました」(39歳・建築関連会社勤務・総合職)

「月1〜2回のサウナで、毛穴から雑念が出たような気がします。いいチャンスをつかむ感覚が研ぎ澄まされ、転職に成功しました」(33歳・官公庁勤務・一般職)

スピリチュアルに詳しい人は、満月になる直前にサウナに行くと言います。

「満月は新月に向けて、だんだん細くなっていきます。このときに、“手放す”ことをお願いすることにより、マイナスエネルギーも減り、精神が開放されると聞きました。だから私は毎月1回、満月の日にサウナに行き、雑念も悩みも“ととのう”ことで手放します」(36歳・広告代理店勤務・営業職)

ほかにも「サウナに行っていいことが起こった」という報告は続々。サウナはさまざまなものを手放し、しみじみと幸福になることで、いい運を引き寄せる場所なのかもしれません。サウナの本場・フィンランドでは、「サウナ室では、教会にいるようにしましょう」という金言があるそうです。

女性サウナ室はヌシに気をつけろ!

働く堅実女子的には上手に活用したいサウナですが、中には“サウナのヌシ”のような人がいて、マナーをいちいち指摘され、行きにくくなってしまったという人もいるのです。

タナカ「男性のサウナには“ヌシ”はいないのですが、女性のサウナにはいるようですね。彼・彼女たちは、そのサウナの大先輩なので、静かに観察してみてはいかがでしょう。上手にととのうためのヒントが見つかるかもしれませんよ。それに、“ヌシ”はそれまでの利用者を見守って来た存在ともいえます。だから、無理して倒れてしまった時に、的確に手当てをしてくれるかもしれませんよ」

ほり「サウナのマナーは施設によって違います。共通しているのは、サウナ室に本や雑誌の持ち込み禁止(消防法で禁止されている)、かけ湯をしてから水風呂に入ることなどでしょうか。他にも、体をふいてからサウナ室に入る、静かにする、寝転びNG、水風呂に潜るのは禁止など、さまざまな取り決めが去れているようです。
でも、マナーは決まり事ではなく、思いやりや気遣い。身構えずに、大人な態度を心がければいいのではないでしょうか」

ルールにとらわれず、気持ちを解放することが大切。サウナで“ととのう”と、ルール違反をしている人を見ても、不思議と腹が立たなくなるという人も多いとか。

聞けば聞くほど、サウナに行きたくなる、タナカカツキさんとほりゆりこさんのお話。まずは、近場の銭湯併設のサウナや健康ランドなどに行ってみてはいかがでしょうか。気持ちが解放されて、心の底からリラックスするはずです。

スカイスパのスチームサウナ「テルマーレ」。サウナが苦手な女子は、スチームサウナから挑戦していくのもオススメ。

まとめ
・サウナは“自分と向き合える”場所。
・サウナのマナーは施設ごとに異なる。思いやりと気遣いに沿って行動していれば、ほぼ問題はない。

タナカカツキ●著書に『サ道』(パルコ出版)、『すばらしきインドア大自然〜水草水槽のせかい』(リトルモア)、天久聖一との共著『バカドリル』など多数。日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使。カプセルトイ『コップのフチ子』の企画、デザインも手掛ける。

ほりゆりこ●1978年大阪府生まれ。デザイナー、イラストレーター。「大自然と一体化」をテーマに、関西を拠点に活動する『Tent Sauna Party』所属。サウナハットの考案・制作も手掛ける。

『はじめてのサウナ』(1400円+税 リトルモア刊 タナカカツキ・文/ほりゆりこ・絵)

『はじめてのサウナ』サウナ未体験の人にもゼロからわかる。絵本のような女性向けサウナ指南書。疲労回復、冷えの改善、全身美容、自律神経の調節ほか、サウナの健康効果を美しい写真やかわいいイラストとともに紹介。読むだけで、心が静まり広がっていく一冊。リトルモア刊。

撮影協力/スカイスパYOKOHAMA
横浜駅直結でアクセス便利。ドライサウナではロウリュのパフォーマンスも。高層階にあり、横浜の絶景を楽しみながら入浴ができる。食事、宿泊施設、フィットネス、ビューティーサロンなどを併設。神奈川県横浜市西区高島2丁目19-12 ☎045-461-1126
※毎月第三火曜は「レディース・デー」で女性の入浴料金が2370円から1600円になる割引サービスが!

撮影/小倉雄一郎