日本はブーイングが鳴り響くなかで消極的なパス回しを展開【写真:Getty Images】

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ブーイングが鳴り響くなかで消極的なパス回しを展開「少しも気にしていなかった」

 日本代表は28日にロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第3戦でポーランドと対戦。

 0-1で敗れたものの、フェアプレーポイントの差でセネガルを抑えてグループH2位となり、2大会ぶりの決勝トーナメント進出を果たした。英紙「インディペンデント」は「彼らは手渡された疑いようのない幸運を、最大限生かすために勇気と知性を示した」と評価した。

 日本はグループリーグ1勝1分1敗で勝ち点4を獲得。得失点差、総得点、直接対決の結果で並び、警告や退場の数に基づくフェアプレーポイントの差で順位が決まるという極めて珍しい状況となった。

 後半14分、ポーランドに先制点を許して1点を追う状況となるも、他会場でコロンビアが先制した情報が入り、日本はリスクを負って攻めるのを止めた。これに対し、「インディペンデント」紙は次のように見解を示している。

「ヴォルゴグラード周辺にはブーイングが鳴り響いていたが、彼らは少しも気にしていなかった。4万2000人を超える観客と数百万という世界中のテレビ視聴者の前で、負けている状況で目的もなくボールを回す超現実的な光景を披露した後、0-1の敗戦を喫してラウンド16に進出した」


セネガルに同点弾が生まれていたら「戦術は大惨事に変わった」

 一方で、試合が終わった数分後にセネガルがコロンビアに敗れ、「日本の計算された賭けは、イエローカードの少なさで先に進んだ」とし、改めて日本の戦いを総括している。

「サマラで行われた試合(セネガル対コロンビア)の後半に同点弾が入っていれば、日本のゆっくり戦いを進める戦術は大惨事に変わっただろう。しかし、ある意味ではトーナメント全体の流れを表していたものだった。(ポーランド戦で)敗れはしたが、彼らは手にした幸運を最大限に生かすための知性と勇気を示した」

 W杯開幕2カ月前に監督交代が起きるなど、大会前の下馬評は低かった日本だが、記事では「この大会で日本は多くの人を驚かせている。彼らは次に直面するイングランドかベルギーのどちらであろうと、彼らは大きな脅威になるだろう」と表現している。

 日本はグループGで3連勝を飾ったベルギー相手に、決勝トーナメント1回戦でどのようなサッカーを見せるのだろうか。


(Football ZONE web編集部)