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クレジットカードを選ぶ際は、まず何を重視するのか、優先順位を決めないことには始まらない。ポイントの貯まりやすさなのか、ポイントの使い道なのか、年会費がかかってもサービスが充実したものがいいのか、それとも券面のデザインか。ポイントカードやキャッシュカードと一体型のクレジットカードがほしいという人もいるだろう。それによって選択肢は大きく変わってくるが、ここでは1枚目のクレジットカード選びで失敗しないために、注意してほしい点をまとめた。

○国際ブランドはVisaかMastercard

一般的なクレジットカードには国際ブランドと呼ばれるものがついており、日本で発行されるカードにはVisa、Mastercard、JCB、アメリカン・エキスプレス、ダイナースクラブ、銀聯(ぎんれん)の6種類がある。VisaはVisa加盟店で利用でき、MastercardはMastercacrd加盟店、JCBはJCB加盟店と、どの国際ブランドを選ぶかによって、使える店は異なる。

日本国内では6種類すべて、もしくは銀聯を除く5種類が使える店も多いが、海外ではVisaとMastercardしか使えない店も少なくないため、1枚目のクレジットカードであれば、VisaかMastercardのどちらかを選んだほうが無難。なお、クレジットカードによって、特定の国際ブランドしか選べないものもあれば、複数の国際ブランドから選べるものもあり、後者の場合は申し込み時に選択する。

○どこで使っても高い還元率

ポイント還元率は高ければ高いほどいいが、カード会社の宣伝文句として「最大◯%還元」などと表記されているものは注意が必要だ。特定の店で利用した場合や、一定額以上利用した場合にのみ高還元となるカードも多いので、その条件を満たせるかどうか、自分の生活を振り返って確認したほうがいいだろう。また、還元率は高いものの、リボ払い専用で手数料が発生するカードもあるので気をつけたい。

一般的に“高還元”と呼ばれるのは、どこで使っても無条件に1%以上の還元率を得られるカード。ただし、電子マネーのチャージはポイント付与対象外となる場合も多いので、チャージにクレジットカードを利用したい人は、ポイント付与条件をしっかり確認しておこう。

○ポイントが使いやすい

いくらポイントを貯めても、使い道がなければ意味がない。カードの利用に応じて貯まるポイントの種類は、還元率以上に大切な要素だ。はじめから使い道を定めているのであれば、そのポイントが貯まるカードを選べばいいが、そうでなければ利用機会が多く失効するリスクが少ない"使いやすいポイント"が貯まるカードを選ぼう。

"使いやすいポイント"の条件は、使える場所が多く、少ない単位から利用でき、有効期限が長いもの。一言で言えば、できるだけ現金に近い性質を持つポイントとなる。最も理想的なのは銀行口座にキャッシュバックできるものだが、それができるカードの選択肢は多くない。各種電子マネーのポイント、TポイントやPontaポイントなどの共通ポイントまで範囲を広げて探してみるといいだろう。

○年会費が安い

たとえば年会費が1,000円の場合、還元率1%のカードで10万円使わなければ相殺できず、年間100万円を使うとしたら、実質的な還元率は0.9%となる。一定額以上利用すると年会費が無料になったり、割引されたりするカードも多数あるが、年会費と還元率はセットで考えたほうがいい。

基本的に年会費が高いカードほど付帯サービスは充実するが、付帯サービスは使わなければ無駄に年会費を払うことになる。どうしても使いたいサービスがあるなら別だが、そうでなければ年会費無料のカードから始めたほうが失敗のリスクは少ないだろう。もしカードを使わなくなったり、他のカードに乗り換えたくなったりした場合も、年会費が無料であれば焦って解約する必要もない。

以上の4項目が、1枚目のクレジットカード選びで、基本として押さえておきたいこと。具体的に候補を挙げるなら、「楽天カード」「Yahoo! JAPANカード」「リクルートカード」「dカード」あたりは、いずれも年会費無料または実質無料で、比較的高還元かつポイントも使いやすく初心者向きだ。

クレジットカードは使う人の生活スタイルや好みによって最適解が異なり、最初からベストな1枚を見つけるのは難しいもの。まずは初心者でも使いやすいカードから始めて、よりの自分に適したカードを探したり、足りない部分を別のカードで補ったりしていけば、少しずつ正解に近づけるだろう。

次回は2枚目、3枚目とクレジットカードを増やしていく際に、意識しておきたい点を解説する。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。