ハイスペ彼氏が突然田舎でバイト生活に。“別れ”と“結婚”…彼女の決断は?

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「正直、初めは彼のスペックに惹かれていました」。そう語る佐竹ひかるさん(仮名・24歳)は、山梨県出身。高校卒業後は上京して不動産会社に勤めていました。

「同業同士のコンパで10歳年上の彼と知り合ったのは20歳の時でした。有名大卒で大手不動産会社の営業。このまま結婚できたらいいなと思い、彼の家で半同棲をしていたんです。

◆このまま結婚すれば安心と思っていたのに!
「転機が来たのは交際から1年後。彼には元々父親がいなかったのですが、お義母さまが突然脳こうそくで倒れて、仕事ができない状態になったんです。

 実家のローンもあるので、彼が出した答えは『実家に帰って母親の世話をしながら、残りの住宅ローンも払う』ということでした。私には『もし良ければ、しばらく遠距離恋愛を続けて結婚してほしい。でも無理なら別れてほしい』と言ってきました。

 突然のことなので答えがすぐに出せなかった私は、とりあえず遠距離恋愛として続けることにしたのです」

 こうして遠距離恋愛になったひかるさん。しかし……。

「彼の田舎は関西にある離島だったんです。さすがに東京まで通うわけには行かず、彼は会社をやめて地元で仕事を探すことになりました。とはいえ、離島ですぐにできる仕事なんて飲食店のホールスタッフぐらいしかないらしく、700万円近くあった年収は200万円ほどまで下がったそうです。

 周りの友人や私の両親には『もし彼と結婚したらお義母さんの面倒も見なきゃいけないんだから、今のうちに別れたほうがいいよ!』と猛反対されました……」

 それでも、月に2、3回はひかるさんに会うために東京に来てくれる彼のことを好きだという気持ちもあり、簡単に別れることはできなかったそうです。そんなひかるさんに心境の変化が訪れたのは、遠距離恋愛になって1年ほど経った頃でした。

◆今度はひかるさんに「転機」が訪れた
「私の勤めている会社が、地方の農家が持っている土地のレンタルを始めたんです。そのために私達社員も農業の研修を受けるために地方に行くことが多くなりました」

 初めはいやいや行っていたというひかるさんでしたが……「研修に行くうちに農業って楽しいなと思えるようになってきたんです。元々は山梨出身で、小さい頃は祖父母の畑に遊びに行っていたので、懐かしい田舎暮らしを思い出して、徐々に『田舎っていいな』と思うようになってきたんです」

 すっかり農業にハマったひかるさんはその後独学で猛勉強し、会社の研修にも積極的に行くようになったそうです。そして1年後、自ら彼にプロポーズしたひかるさんは、彼の田舎に嫁ぐことになります。

「実際住んでみると、やっぱり私には田舎暮らしのほうが肌に合っていると思いました。今ではアルバイトをしながら彼の実家の余っている土地を借りて、自給自足で野菜を作って生活しています。

 島では漁業も盛んで、私の作った野菜と島の人たちのとった海産物とで、物々交換できるくらいにまでなりました。彼もホールスタッフから幹部になり、私が作った野菜を使ったメニューを考案したりして頑張っています。彼のお義母さまも私が嫁いで安心したのか、体調は大分回復してきましたね。姑関係や近所付き合いも良好で、今では私のほうが島に馴染んできていて彼も驚いています(笑)」

 思わぬことが、田舎に嫁ぐきっかけとなったひかるさん。彼にすべてを頼らず、自分の楽しみを見つける。そんな前向きな考えが、見知らぬ土地でも幸せな結婚生活を送れる秘訣なのかもしれません。

―「結婚」泣き笑いエピソード vol.1―

<TEXT/結城 イラスト/ワタナベチヒロ>

【結城(ゆうき)】
恋愛ライター。鋭い視点で世の男女を観察し、 夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。