トンデモ主張をする歯医者も(写真はイメージ)

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 甘いもの=砂糖を摂りすぎると虫歯になる。長らく信じられているこの“常識”について、発売即重版の話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏が最新の知見について報告する。

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 歯科医が書いた本で、よく目にするのが“砂糖を断てば、虫歯は治る”という主張だ。虫歯の主な原因菌のミュータンス菌は“糖質”をエサにしているから、という理由らしい。

 だが、食事の中には砂糖以外にも“糖質”が含まれており、(砂糖が発明されるより前の)縄文時代の人骨でも虫歯は確認されている。

 最新の知見で明らかになっているのは、食事中は口の中が「脱灰」というエナメル質が溶ける状態になり、これが続くと虫歯となるということだ。だから、食事の間隔をあけて、唾液による「再石灰化」の時間を確保することが、虫歯予防に効果的と考えられている。

 歯石は「グラグラになった歯を固定しようとする自然の補強作用」──こんな非常識とも言える診療方針を掲げる歯科医院も実際にある。手抜き宣言ではなく、大真面目に歯石は除去すべきではないと考えているのだ。

「心を含めて体全体のバランスを診て治療をします」として、診療時間45分ほどで費用は2万円(自費診療)。言うまでもないが、歯石を放置するメリットはない。

 有効性が定かではない、怪しげな歯科治療は、今も全国各地で行なわれている。こうした治療を受けることで、病状が悪化してしまう場合もあるが、現行法では、規制できない。早急に法改正を検討すべきだ。

 また、専門外の分野であっても、患者を抱え込み、自身の診断が唯一の正解であるかのように伝える歯科医は少なくない。たとえば、「抜歯しかない」と言われても、諦めずに治療法がないか、探してみることをお勧めしたい。

※週刊ポスト2018年6月29日号