「仕事より家庭やプライベート」と考える若者が増え、ネットで物議を醸している。内閣府の6月19日の発表で、16〜29歳の男女1万人に聞いた「仕事に対する意識調査」に対してだ。

約6割が「仕事よりも家庭・プライベートを優先する」(63.7%)と回答し、6年前の調査と比べて10ポイントあまり増加した。「家庭・プライベートよりも仕事を優先する」と回答した人は12.7%で、「どちらともいえない」は23.6%だった。(文:okei)

「昇進しても、昇給1%で、責任とノルマ5倍だからな」

この報道に対して、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)では「当たり前ですけど」など、結果を当然とするコメントと、「嘆かわしい」とする非難で意見が分かれ、大討論会となっていた。

結果を当然とする人は、

「そりゃそうだ 仕事するために生きてる訳じゃない」
「社畜になった所でメリットないし 休み削られるとかアホらしい」
「昇進しても、昇給1%で、責任とノルマ5倍だからな」

など、明るい将来が見えづらく、頑張りが報われない世の中だからという指摘がバンバン入っていた。

「若者だからじゃないよ。将来を与えてないから今すぐのプライベートのほうがプライオリティ高いというだけ」
「終身雇用は嘘、大企業での安定も嘘…必死に言い聞かされて勉強してきたのにな。そりゃプライベート重視になるわ。信用0なんだよ。会社は守ってくれない」

といった声に、諦めの心情が表れている。

一方で、この結果を嘆く声も少なくない。

「結局、責任感ないんだよな。 この世代が管理職世代になったら企業は終わるな」
「ちゃんと働かないと楽しいプライベートなんか無いぞ。楽しいことだけして生きていけるほど世の中ゆるくない」
「仕事は飯を食べるための手段と割り切る人生って、お前ら、悲しくないのか?本当に、奴隷だな」

などと説教モード全開の人も。中には、「嘆かわしい事だ。(中略)男たるもの一度仕事に就いたらプライベートなど無いも同然に決まっているだろうに」などと、かなりゴリゴリの仕事人間からの"御意見"もあった。

「いまの若者は働くより遊びたい」と捉えるのは単純すぎる

しかし、若者が「仕事よりプライベート」と言うのを「働くより遊びたい」と捉えるのは単純すぎる。好きなことを職業にしている人は別として、「今の時代は子供ができたら男も育児に参加がスタンダード」であることや、仕事だけして家庭を顧みなかった定年後の虚しさを指摘する声も多い。ゴリゴリに仕事だけに打ち込む人生が、必ずしも幸せでないことをいまの若い世代は知っているのだ。

同調査では、転職に関する意識も聞いており、「積極的に転職するべき」と「合わない職場ならば転職する方がよい」が、合わせて35.4%で、転職に否定的な回答(17.3%)の倍以上という結果だった。

これに対して書き込みには、「転職35%ってまだまだ低いな 一度しかない人生、無理して仕事してどうすんの?挙句の果てに病んで自殺とかありえんわ」といった声がある。会社に身を捧げてまで働きたくないと思うのは、当然の考え方である。

ほかにも、「プライベートを大事にしても昇格ぐらいできる。それを犠牲にして働けとかいうクソ企業からは優秀な人材が逃げ出して、 アホな管理職と新人だらけになって潰れるだけ」といった指摘もある。確かに両方充実させるのが理想だが、そうした明るい夢を見づらい雰囲気が、いまの若者たちに広がっているということだろう。それを感じさせているのは、もう若くない人たちなのだ。