ソチでの決戦を前に行われたプレスカンファレンスでは、ヨアヒム・レーヴ監督のからは落ち着きと、そして強い意志が感じられる言葉が述べられた。初戦のメキシコ戦では、思わぬ形での黒星スタートとなったドイツ代表だが、指揮官は「練習では、選手たちはそれに対してのリアクションを見せている。自信も感じられるし、明日はそれをピッチでみせてもらわなくては。ただそれができると確信しているがね」と語っている。

ソチは今大会の決勝戦が行われる舞台ではない。だがこれからドイツ代表はこの地で、1つの決戦を迎えることになる。だがそれでもレーヴ監督は、根本的な自信については特に揺らいではいないことを強調。「なぜそれが損なわれなくてはならないんだ?」と返答したレーヴ監督は「時に困難が訪れることは常に起こりうるものだ。しかしたった1つの試合で根本的な自信がゆらぐようではいけないよ。我々は世界のトップクラスに位置する。そこで全てのことに対して懐疑的になるのは致命的だろう」と言葉を続けている。

ただそれでもいずれにせよ、ドイツ代表はスウェーデン戦において、先発の入れ替えを余儀なくされることになりそうだ。木曜日練習中にマッツ・フメルスが頚椎をひねっていたことが明らかとなっており、一晩たってもそこまでの回復が見られなかったという。「マッツはおそらくはプレーすることができないだろう。たぶんその意味がないと思う」とコメント。ボアテングと共にCBコンビを形成する代役候補は、最終調整での印象を見る限りはアントニオ・リュディガーのようだ。また前節では急遽先発したマルヴィン・プラッテンハルトに代わり、左サイドバックでは再びヨナス・ヘクターが先発復帰。同選手にとってはW杯デビュー戦を迎えるという意味合いももつ。

また中盤や前線での入れ替えは、どれほど行われることになるのか。指揮官はメスト・エジルに対する厚い信頼を口にした。「私がメストをどう評価しているかは、何度も口にしなくともみなさんもご存知のはずだ」その言葉から察する分には、どうやらドイツ代表のプレイメイカーには既に、先発出場が約束されているかのようだ。レーヴ監督は攻撃陣のスタイルの変更を予定してはおらず「守りを固めてくる相手との対戦経験は選手たちは持ち合わせている。土曜日の試合では深い位置へ侵入する動き、パスゲームでうまく対処していく必要があるだろう。ロングボールで高さ勝負と何度かしたくらいではチャンスなど生まれないさ」との考えを述べている。

なお最終調整ではエジルはAチームとみられる側でプレー。そのほかミュラーとブラントが3枚の攻撃的MF陣を形成し、ボランチにはケディラとクロース。最前線にはゴメスが入った。土曜日にむけてのシグナルなのか?それともブラフなのか?実際に秘密とされた練習でも、スウェーデン代表のスパイは視察を行なっており、またこの試合でロイスを先発させないことはちょっと考えにくいが果たして・・・。

レーヴ監督は「2つの武器、我々にはメキシコ戦とは異なるエネルギーとフィジカル面での存在感が必要なんだ。今大会を総じてみて、プレーの面ではまだ絶対的なトップレベルにある国は存在しない。それがタスクとなるよ。試合に臨む姿勢とパワーが、そのための土台となるのだ」との持論を展開。

メキシコ代表戦に敗れたことで、「メンタル的に消化することは難しいことさ。実際に試合では何もできてなかったのだから」とは認めながらも、それでもチームからは求めているシグナルは受け取っているとの見方も示しており、「いい意味での緊張感と集中力が漂っている」と期待感を示した。あとはそれをピッチで発揮するだけだ。