批判の声に晒されているメッシ。そんなアルゼンチン代表の10番を擁護したのは他でもない母親だった。 (C) Getty Images

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 アルゼンチン代表は6月21日、ロシア・ワールドカップのグループリーグ第2節でクロアチアと対戦する。初戦で引き分けた南米の雄にとって、決勝トーナメント進出の行方を左右する重要な一戦だ。

 6月16日、1-1のドローに終わったアイスランド戦で、批判の矢面に立たされたのは、エースのリオネル・メッシだ。63分に得たPKのビッグチャンスを逸していた。

 そうした批判が不当なものだと訴えたのは、他でもないメッシの母親セリアさんだ。米スポーツ専門メディア『ESPN』によると、セリアさんは「息子の目標はトロフィーを持ち帰ること、W杯で優勝することなの」と愛息が深く傷ついていると明かした。

 メッシをかばったセリアさんは、国民の期待を一身に背負うアルゼンチン代表エースの苦悩を口にする。

「W杯優勝は彼の最大の望みの一つなのよ。私たちは彼が苦しみ、時には泣くのを見てきたわ。彼は誰よりもW杯優勝を望んでいる。そして誰よりも全力を尽くしているのよ」
 
 メッシはこれまでも代表において苦しい時期を過ごしてきた。2014年のブラジルW杯とコパ・アメリカ(2015年、2016年)の3大会連続決勝に進みながらいずれも準優勝に終わり、度重なる批判から一度は代表引退にも向かった。

 セリアさんは、「レオへの批判すべてに私たちも苦しんでいる」と続けている。

「彼が代表でプレーするのは義務感からとか言われると、母親として、家族として、つらいものよ。幸いにも、彼を愛してくれる人はたくさんいる。そして彼にそれを伝えてくれている。私も母として同じようにするわ」

 愛息の素顔を知るセリアさんは、「楽しむように伝えたわ。自分にできることをし、最初に始めた時のようにプレーをしなさいとね。家族全員が支えているわ」とエールを送り、息子のピッチ外での人間性の良さも語った。

「レオは神の子なの。兄弟にも素晴らしく、父親として優れ、夫としても見事なのよ」

 メッシとアルゼンチンは、アイスランド戦で生じた重苦しい空気を吹き飛ばし、悲願の優勝を遂げることができるのか。まずは、白星発進したクロアチアとの一戦に注目だ。