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カジノをふくむ統合型リゾート(IR)実施法案(カジノ実施法案)が6月19日、衆院本会議で可決したことを受けて、カジノ解禁に反対してきた日本弁護士連合会(菊地裕太郎会長)は同日夕、東京・霞が関の弁護士会館で緊急記者会見を開いて、同法案の廃案をもとめる会長声明を発表した。

日本の刑法では、賭博行為は犯罪とされているが、公営ギャンブルについては例外的に違法性阻却(違法性の否定)されている。カジノ実施法案は、行政機関がえらんだ民間事業者がカジノ運営することを解禁するもので、日弁連の会長声明は「法秩序全体の整合性を著しく損なう」と指摘している。

また、法案は入場制限なども設けているが、カジノ事業者が一定の金額を預け入れた客に貸し付けできることになっている。貸金業法の総量規制(年収の3分の1までの制限)が適用されないなどとして、会長声明は「客をギャンブル依存症に陥らせるなどの弊害は大きい」と批判している。

カジノをふくむIRは、政府が「成長の柱」と位置づけており、法案は今週中にも参院で審議入りとされている。一方で、衆院内閣委員会では審議時間約19時間で強行採択されていた。日弁連カジノ・ギャンブル問題検討ワーキンググループ座長の新里宏二弁護士は会見で「審議期間が短く、十分に尽くされたとはいえない」「参議院でしっかりと議論していただきたい」と述べていた。

(弁護士ドットコムニュース)