恋愛研究家の六波羅ナオトです。

以前、本連載で取り上げた草食系おじさんの記事について、渦中の草食系おじさんから反響があり、さらに深い話が聞けたので筆者の考察とともにご紹介したいと思います。

その前に、前回ご紹介した草食系おじさんの心理について簡単にたどってみたいと思います。草食系おじさんとは、恋愛も結婚も諦めてしまっているおじさんのこと。その理由としては「良い人がいない」というものですが、実は良い人を探そうとしていない、良い人かどうか解る前に敵前逃亡しているというのが真相のようです。「草食系」というだけあって、あまり派手なことは好まず、地道に働いて収入は文句ナシだけど、深い人付き合いが苦手で、女性の心理がよくわからないというものでした。

そんな草食系おじさんとて、恋愛や結婚を完全に諦めているわけではないということも特徴の1つ。「ほぼ諦めている」といって差し支えのない生活を送っていますが、「良い人がいれば結婚したい」と淡い期待を抱いているのも事実です。

今回、そんな草食系おじさん数人から、自身が抱える草食系に甘んじている理由をいくつか聞くことができました。

同じ草食系の女性を好む

まず、草食系おじさんが好む女性のタイプとして、自分と同じ草食系の女性というのがあるそうです。例えば、お酒が飲めなかったり、大人数でのコミュニケーションが苦手な草食系おじさんにとっては、お酒をたしなむパリピ女子などは別世界の生き物だそうで、とても近寄れないとのこと。

また、多くの男性を知人に持つような肉食系女子などは、いくらキレイな女性であっても会話すらままならず、恋愛の対象にはならないというのが彼らの恋愛観のようです。例えば、一般的にキレイな女性というのは、自分に自信があり何事にも積極的。常に向上心や上昇志向を持っており、ステキな女性なのは間違いないが、その反面、相手にもそれを求めてきたり、自信のないネガティブな人を蔑んでいるように見えるらしい。将来の目標や壮大な夢を平然と語る女性とのコミュニケーションが、これまで地道に生きてきた草食系おじさんにとっては苦痛だと明かしてくれました。

草食系おじさんとしては、正直、大きな幸せもいらないので、不幸や苦痛のない平穏な日々を望むとのこと。結果的に、自分にとっては女性とつきあうという「大きな幸せ」は不要だと判断し、独りで気ままに生きるという人生を選択し、現在の草食系おじさんに至る、というのが真実のようです。

近寄りがたいオーラをまとう美女

美しい女性とつきあうことで幸せになる一方で、自分のペースが崩れるよりは独りでいたほうがいいという草食系おじさんの気持ちは筆者も理解できます。世の中のキレイな女性は、美しさを保つために自分を磨いているものです。美しくいることで、自分に自信を持ち仕事や人間関係を円滑にし、充実した日々を送っていると、そこはかとなく近寄りがたいオーラを放つものです。

これまで、なるべく波風を立てずに平々凡々とした人生をおくってきた草食系おじさんにとっては、キレイで自信に満ちあふれている女性ほど眩しすぎる存在といえます。もちろん、草食系おじさんにとってもキレイな女性は憧れの存在ではありますが、自分には高嶺の花以上に近寄りがたい存在であり、なにかの間違いでつきあえたとしても、振り回されるなどして疲れてしまうのではないかということを本能的に理解しているのかもしれません。

「敵前逃亡」と言われればそれまでですが、今の平和を壊してまで女性とつきあう必要性を感じないというのが草食系おじさんのホンネでしょう。

☆☆☆

自己肯定感が低いのか、勇気がないのか、希望がないのか……独身草食系おじさんの理想は、少年漫画によくある「ある日美人がいきなり自分のことを好きになる」系の棚ぼたなのか?

後編ではさらに深刻な草食系おじさんの胸中に迫ります。他人からみると完全に諦めているように見えて、心のどこかで諦めきってはいない草食系おじさんの苦悩が垣間見えるはずです。〜その2〜に続きます。