20歳OL、白人男性にクドかれて出ちゃった…恥ずかしすぎるアホ英語

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 海外旅行って、予測できないことが結構起こりますよね。時にはとんでもないトラブルに巻き込まれてしまうことも。ライター・イラストレーターで少女漫画コンシェルジュの、和久井香菜子さんに「旅行のヒサンな話」を尋ねてみました(以下、和久井さんの寄稿)。

◆女3人グアムで大はしゃぎ。金髪男性に口説かれて…
 少女マンガ研究をしているライターの和久井です。私には、思い出すのも恥ずかしい英会話経験があります。

 あれはOLになったばかりの20歳の頃……。女友達3人でグアムに行ったんですよ。

 彼女たちとは高校生の頃、英会話スクールのクラスメートでした。高校卒業後、和久井は短大の国文科へ、彼女たちは英語の専門学校へ進学しました。3人ともOLになり、久しぶりに遊ぼうと、2泊3日のグアムの旅に行くことになったんです。

 友人同士での初めての海外。もう開放感タップリですよ。

 遊びにいった射撃場で、金髪男子たちと知り合ったんです。で、「夜に飲みに行こう」ってことに……。もう、怪しさ満々ですよね。

 そのうちの1人から、猛烈にアプローチされることになりました。ところが自分、びっくりするほど英語ができなかったんです。一緒に旅行をした友達が英会話スクールの仲間だったこともあり、自分もなぜか同じレベルだと思いこんでいたんですね。彼女たちは専門学校でしっかり勉強をしていて、自分とはレベルがもうまったく違うというのに……無自覚って恐い。

 夜、飲みに行ったバーで金髪男子から猛烈に口説かれました。なにを言われたか覚えてないけど、このシリアスなムードをなんとかしないと危険なことになる……と思った私は、こう言ったんです。

「ユーアー シリアル」

 その日「コーンフレークなどのことを英語でシリアルって言うんだ!」と知ったばかりでした。脳みそダダ漏れです。

 彼は悲しそうに、
「ノー、アイム シリアス……」

 とつぶやきました。口説いている女からコーンフレーク扱いされたら、それは悲しいでしょう。意味わからないけど。

◆口説きの舞台はついに夜のビーチへ
 そのうちに彼は「ビーチに行こう」と言い出しました。

 いやいやいや、この真っ暗闇の中、お前とビーチなんかに行ったら何が起こるかわかったもんじゃないだろう! と思いました。

 でもまずいことに女3人とも、男性と付き合った経験がなくて、かなりオボコだったんですよね。周りの2人も茶化すだけ。危険度を理解していなかったと思います。

「嫌だ、行きたくない」は言いにくい気がしました。「ノーと言えない日本人」です。

 そうだ!「暗いところは怖い」って言えばいいんじゃね……?

「恐い」は be afraid of でしょ、「暗い」は英語で……英語で……。……。

……わからない!!

 よっぽど英語力が腐りきっていたのか、もともとバカだったのか、「ダーク」というカンタンな単語が思い浮かびませんでした。

 なんだっけな、なんだったっけなと思っているうちにも、彼は私を暗闇に連れて行こうとしています。

 早く言わないと、大変なことになる……!

 そんなとき、姉の話を思い出しました。

 彼女は英語教育に熱心な進学校に通っていたのですが、その外国人の先生が日本語で授業中「鉛筆で“黒く”書いてください」と言ったとか。「濃く」がわからなかったのかもしれません。

 でも生徒たちはみな「はいはい、黒くではなくて濃く、ね」と理解していたそうです。

……これだ!

「暗い」を正しく言えなくても、似た言葉を使えば、彼はネイティブスピーカーです、きっと理解してくれるはず。

 和久井は彼にこう言いました。

「アイム アフレイド of ブラック」
(私は黒人が恐い……?)

 かなり爆弾発言です。

 彼が「No、アイム ホワイト」と言ったかどうかは定かじゃないですが、結局暗闇のビーチに連れて行かれて、耳を舐められて帰ってきました。耳だけで済んで本当によかった……。

◆その後の人生まで変えたグアム旅行
「英語を勉強しよう」と痛感しました。

 帰ってきてから、ラジオの英語講座を2年間毎日聴き、お金を貯めて彼女たちが通っていた英語学校に数年遅れて入学したんです。

 その後、英語の先生になったり、英語テキストの編集をしたりしたので、ある意味、人生変えるグアム旅行でしたね。

 人に歴史あり、です。

 ちなみに語学というのは単語や文法を覚えることではなく、その国の文化や歴史への理解への架け橋となります。

 アメリカを始め、欧米の人たちは「日本人からしたらけっこうキツい」と思うようなことでも、かなりズバッと自分の意見を言います。行きたくないなら、行きたくないってハッキリ言うべきだったと、今では思います。

 とりあえず「ダーク」がわからない大人からでも、英語の勉強は遅くないってことで。

―シリーズ 旅行のヒサンな話 vol.16―

<文/和久井香菜子>