近年「若者の●●離れ」が多発していることでも分かる通り、最近の若者世代はいろいろなものに関心がない「無気力世代」「さとり世代」と言われています。年代は1990年前後生まれで、年齢にすると10代後半から20代。堅実女子の中には当事者の人もいれば、それより上の世代で、ちょうど職場の後輩や部下に該当する人も多いかもしれません。実際こういった世代の人はどのように上の世代から思われており、また当事者は自分たちの世代のことをどのように考えているのでしょうか?

「やる気がない」と言われることに対して、若者の約6割が嫌悪感

「株式会社マンダム」では18〜23歳の「若者世代」と40〜49歳の「大人世代」を対象に、「本気(ガチ)に関する意識調査」と題したアンケートを実施。「最近の若者はやる気がない」という風潮に対するさまざまな実態を考察しています。

まずはその「最近の若者はやる気がない」について、当事者の若者と大人世代はどう感じているのでしょうか?その結果は以下の通りです。

「やる気がない」と言われることについて「気にしない」と答えた若者は19.8%。ある意味、気にしすぎの面もあるかもしれません。

大人世代は41.3%が「そう思う」と回答しているのに対して、当事者である若者で「そう思う」と答えた人はわずかに18.9%。むしろやる気がないと言われることに対して「正直いらっとする」「間違っている」「そんなことはない」と、否定的な意見が合計57.9%となっているのです。

何かを本気で取り組むことへの尊敬は、大人世代よりもむしろ強い

いろいろなものに関心がないと思われていた若者世代。しかし実際は「やる気がない」と大人たちに言われることに嫌悪感を示す背景とは、一体何なのでしょうか?そのヒントとなるキーワードとして、同調査では「ガチ勢(ガチゼイ)」という若者言葉に注目しています。

「ガチ勢」の意味はおおざっぱに言うと「本気で何かに取り組み、極めること」。もとはゲームの名前やジャンルとともに使われることが多いゲーム用語でしたが、今では趣味や勉強、仕事などさまざまなジャンルで活用されています。同調査ではその「ガチ勢」についてのイメージを、若者世代と大人世代それぞれで質問。その結果はかなり興味深いものとなっています。

一番差がついたのは「尊敬する」のイメージ。大人世代にとって本気で取り組んでいる人を尊敬する感覚は、あまりピンとこないのでしょうか?

グラフをみると一目瞭然。「素晴らしい」「なりたい」「カッコいい」「尊敬する」の項目すべて、若者世代が大人世代を大きく上回っているのです。つまり若者世代は大人世代以上に本気で何かに取り組むことに対し、強い憧れと尊敬の念を抱いていることが分かります。

何かイベントがあると渋谷のスクランブル交差点で大騒ぎをする文化が最近の若者にはありますが、これも内に秘めた「やる気」の現れなのかもしれません。

これらの調査結果をもとに言えるのは、若者世代は決して「やる気がない」わけではないということ。おそらく、彼らはそれを全面に出すのが苦手なだけなのではないでしょうか?よく考えると、今から10年前くらいに「空気読め」を意味する「KY」という言葉が流行りました。その言葉の流行とともに、もしかしたら「自分だけやる気を出すのは空気を壊す」という感覚が彼らにはあるのかもしれません。でも本当は内に秘めた闘志があるのです。

特にこの世代の部下や後輩がいる世代は、そのことを頭に入れつつ接すると、コミュニケーションがうまくいくかもしれません。

【調査概要】
調査主体:株式会社マンダム
調査時期:2018年5月
調査対象:大人世代40〜49歳 男女431人、若者世代18〜23歳 男女338人