奈良クラブは15日、天皇杯2回戦のPK方式やり直し決定を受けての見解を発表した。15日午後にも本件に関しての会見を行う予定。

 今月6日にパロマ瑞穂スタジアムで行われた天皇杯2回戦で、奈良クラブは名古屋グランパスと対戦。1-1(PK5-4)で勝利していたが、競技規則の適用ミスがあったとして、前代未聞となるPK戦の一人目からのやり直しが決定していた。

 クラブは矢部次郎理事長と選手スタッフ一同の名の下で見解を発表。「このような決意に至るまでには多くの葛藤がありました」としたうえで、経緯を説明した。

「先日行われた天皇杯2回戦の勝利の余韻も冷めやらぬ2日後、日本サッカー協会より『主審の競技規則の適用の誤りにより、奈良クラブの敗戦とする』旨が通達され、経験したことのない絶望とやり場のない怒りがチームを襲いました。その通達が覆るまでの間には、JFLのリーグ戦が行われ、複雑な思いを抑えてプレーせざるを得ない状況でした」

「その後、日本サッカー協会より発表された『審判員の判定に関する審判委員会の見解について』において、『フェイントとして判定された金久保選手のキックは、正当なキックであった。即ち、主審の下した判定は誤りであった。』と報告を受けております」

 前代未聞の事態に見舞われたが、「選手たちは、競技者として、潔く全身全霊を尽くし、PK方式の再度実施に臨むことを誓っております」とした。

 また対戦相手である名古屋に対しては「これまでも私たちと友好的な関係を築いてくださっており、初めて公式戦での対戦の中で、フェアにプレーしていただき、私たちの力を存分に引き出してくださいました。試合後においても、本件に対し、真摯にご対応いただきましたことに感謝を申し上げます」と感謝。

「日頃より活躍される審判員、審判アセッサー、マッチコミッショナーの皆様が、本件を糧に、更なる審判レベルの向上と競技規則の周知徹底をしていただき、2度とこのようなケースが起こらないよう願っております。これからも選手たちの真剣勝負の一瞬の輝きを裁いてもらいたいと望んでおります」

「私たち奈良クラブも、サッカーファミリーの一員として、ファン・サポーターの皆様に喜ばれるクラブを目指して参りますので、引き続き温かいご支援、ご声援を宜しくお願い申し上げます」と結んでいる。