10年前は40万円だったデジカメとオールドレンズで「インスタ映え」写真を撮る

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カシオがデジタルカメラから撤退というニュースが2018年5月に流れました。
カシオと言えば、1995年にコンシューマー向けとしては世界初の液晶ビューファインダー付デジタルカメラ「QV-10」を発売して、個人向けのデジタルカメラ市場を立ち上げ、けん引してきたメーカーです。

その後デジタルカメラはフィルムカメラに取って代わり、カメラといえばデジタルカメラと誰しもが思うほど普及し、多くの人に使われました。
しかしカメラ機能付きスマートフォンの登場と普及により、コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)市場は大きな打撃を請けて市場は縮小し、コンデジはスマートフォンに置き換わってしまいます。
コンデジを中心に販売してきたカシオは、こうしたコンデジ売上減少の影響が大きく受けてしまったのです。

デジタルカメラは、カシオ「QV-10」が発売以来、20年に渡り多くの機種がリリースされてきました。デジタルカメラの進歩は早く、毎年スペックアップした新機種がリリースされていました。
より画質や操作性の優れた製品が発売され、前年のモデルを買い替えるといった状況が続きました、まるで今のスマートフォンのようですね。

デジタルカメラもスマートフォンは、どんどん新しいモデルに買い替えるという点では共通しています。

しかし古いデジタルカメラは、本当に実用にはならないのでしょうか?

実は、最近のSNSの普及や活用が、古いデジカメに再利用の価値とチャンスを生み出しています。
SNSへの投稿写真は「インスタ映え」と呼ばれる投稿が流行っています。
インスタ映え」写真では、写真の解像度よりも、読者へのインパクトや視覚効果が重要視されます。

つまり、今、SNS投稿の写真は、それほど解像度を必要としません。

最新のデジタルカメラでは、2000万画素、4000万画素など、高解像度を実現したカメラが一般的です。
しかし、SNSの「インスタ映え」投稿では、1000万画素もあれば十分だったりします。

現在、古いデジタルカメラは、中古市場で非常に安く売買されています。
そこで、13年前の2005年に発売されたキヤノンEOS 5Dを使って「インスタ映え」写真を撮ってみることにしました。

EOS 5D は、35ミリ判フルサイズカメラとして発売当時は40万円近い価格でしたが、現在は中古市場で1/10程度の価格となっています。
画質や機能において、最新デジタルカメラには及びませんが、画素数は約1280万画素と、SNSやネット投稿などに利用では十分な性能です。
まさに手軽に入手できる「フルサイズ」のデジタルカメラなのです。


EOS 5D


EOS 5Dは、35mm用のキヤノンEFマウントレンズが利用できます。
ですが、せっかくなので今回は「インスタ映え」を狙って、オールドレンズで活用してみました。

オールドレンズをEOS 5Dで利用するには、マウントアダプターを利用します。
マウントアダプターは、オールドレンズとカメラボディの間に装着し、現在のカメラで利用できるようにするアダプターです。

最近は、オールドレンズを利用するためのマウントアダプターも大手の家電量販店で販売されるほど、オールドレンズをデジタルカメラで利用して撮影する人が増え、人気も上がっています。


新宿ヨドバシカメラのマウントアダプター売り場


今回は各種アダプターを利用することで、オールドレンズによる撮影をしてみました。


EOS 5DとM42マウントのHELIOS-44-2 58mm F2をM42-EOSマウントアダプターにて使用



M42マウントのHELIOS-44-2 58mm F2の作例



EOS 5DとデッケルマウントCOLOR-SKOPAR 50mm F2.8をデッケル-EOSマウントアダプターで使用



デッケルマウントCOLOR-SKOPAR 50mm F2.8の作例



EOS 5D, GN NIKKOR 45mm F2.8,



EOS 5D, GN NIKKOR 45mm F2.8, NIKON F-EOSマウントアダプターの作例


・価格の下がっている古いデジタルカメラ
・古くて味のあるレンズ
このコラボレーションにより、今のデジタルカメラでは撮影できない「インスタ映え」写真を撮ることができます。是非、1度、お試しください。


伊藤浩一