その花、気を付けて! ケシの花が開花シーズンを迎え、厚生労働省が注意を呼び掛けている。麻薬のアヘンの原料となる品種は栽培が禁止されているが、繁殖力が強いため住宅街や公園で見つかったり、違法と知らずに観賞用として栽培したりしているケースも。九州では2017年度15万本以上が処分されており、同省は「発見したら警察などに届け出てほしい」としている。

 同省によると、全国で17年度、通報を受けて処分したケシは66万7281本。九州は15万681本で、最多は熊本県の5万3521本。以下、長崎県3万1116本▽福岡県2万7747本▽佐賀県1万6909本と続く。

 特に発見例が多いのはアツミゲシ。4〜6月に直径5センチ程度の薄紫色の花を咲かせる。ぎざぎざの葉が特徴で、茎は高さ1メートル前後。落花後、子房が膨らんで種子が入った「ケシボウズ」と呼ばれる実になり、傷をつけて分泌させた白い液からアヘンができる。

 アツミゲシとソムニフェルム種のケシはあへん法で、ハカマオニゲシは麻薬取締法で栽培が禁止されている。いずれも知らずに栽培した場合は罪に問われないが、故意に栽培すれば懲役1年以上10年以下の罪に問われる。合法のヒナゲシやオニゲシとは葉の数や形状、茎の毛などに違いはあるが「よく似ており、見分けるのは難しい」と同省担当者は話す。

 九州厚生局麻薬取締部によると、飛来した種子から繁殖することが多く、今年も畑や駐車場、コンビニの跡地などで見つかっているという。大分県竹田市では5月、巡回中の警察官が民家の庭先でケシ約50本を偶然見つけ、回収した。住人は違法と知らず、観賞用に栽培していたという。

 同部担当者は「自生するケシをアヘンの材料にしたという話は聞かないが、悪用の恐れはある。似た花を見かけたら、警察や保健所に通報してほしい」としている。

=2018/06/14付 西日本新聞夕刊=