「女の子は泣いていても悲しいとは限らない」とカリスマホストは言った|辛酸なめ子

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【いまどきの男を知る会 ファイルNo.13 歌舞伎町のホスト】

「イケメンホストとは何か――存在の美学としてのホストの<これから>――」なる知的なタイトルのイベントが歌舞伎町ブックセンターで開催。明治大学講師の関修先生がカリスマホストを取材した新書『イケメンホストを読み解く6つのキーワード』を出版されたのを記念したもののようです。

 進行は関先生と、歌舞伎町ブックセンターのオーナーで元カリスマホストの手塚マキさん。ゲストはカリスマホストで今は経営側に回っている葵未来さん、獅龍仁さんといったカリスマなメンバーです。ホストクラブだったらお話しするのに何十万円もかかりそうな方々とのトークが2000円で聞けるお得なこのイベントで、ホストの本音について探ってみました。

◆冷静と情熱。対照的なホスト2人
「授業で学んだことをホストに生かしていました。いかに自分をブランドする化が重要です」と冷静に話す葵さんは、大学院出身のインテリ系で、スーツをカッチリ着こなし、ダイヤのピアスとさり気なくつけたネックレスが素人でない感を醸し出しています。

「頭が悪いんで全部感情で答えるんで!」とワイルドに語る獅龍さんは、短髪でアディダスのジャージからタトゥーをチラつかせる威圧系イケメン。十代の頃からホストだったそうです。正反対のタイプですが、二人ともゆるぎない自信と経済力を漂わせる日本男児。カリスマホストには、素人のイケメンやジャニーズとも違う、闇と光が渦巻く独特のフェロモンがあります。

 ホスト男子は社会の表も裏も知り尽くしているからか発言が深く、心に刺さります。中でもホストの存在の美学を感じさせた発言は……。

「中身ない奴はすぐ切られます」「自分が楽しい人間で深みのある人間じゃないとついてきてくれない。うわっつらの人間だったらうわっつらの関係で終わる」「全部に関して先頭を切っていかないと大物になれない。結局気合です」と、ホストの哲学を語った獅龍さん。

 一方、「世界で一番おしゃれなのがホストだと思っています」と、断言したのは葵さん。ホストはトレンドリーダーだと自認していて、ダイヤのネックレスを「これはハリー・ウィンストンより人気のグラフというブランド。まだそんなに知られてません」とあとで見せてくれました。値段は……シャンパンコール三十回分くらいでしょうか。

 獅龍さんは「ユニクロの黒パンに白T着てても自分は売れるんで」と自信を見せつつ、「昼の仕事をしていると買えないような車や時計を一括で買えるのがホストの魅力。でも俺は一番のファッションは肉体だと思ってます」と袖口からタトゥーをアピール。

 二人とも金銭的余裕がオーラを増強させています。そこまでなれるのはほんの一握りだと思われますが……。

◆売れるホストは男に評価される男
 関先生は「ホモ・ソーシャルな男社会」とおっしゃっていましたが、体育会系な縦社会で、人情とか仁義が息づく世界のようです。手塚さんも「ホストは猿山のようにボス猿がいて、男の絆を大切にする社会。男に評価される男が残っていきます」と同意します。

「自分は情に厚いだけの人間なんで」と言う獅龍さんは、「尊敬するのはグループ会社の社長です。何があっても守ってやると言われて、かっけーと思った」と、男の世界を大切にしています。やはり同性に信頼されるタイプがホスト界で生き抜けるようです。

 対して葵さんは「自分の上にいる人は必ず抜いて頂点に立とうと思ってるんで」と言い放ちました。クールな見た目と時々出るオラついた発言のギャップがいいです。

◆イケメンのいるバーとホストクラブの差は?
 ホストの敷居が低くなってきた今、どのように差別化するべきか? という議題も出されました。