初勝利で自信を深めてロシアに向かう西野監督。この日もダンディーだ (撮影・中井誠)

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 【ゼーフェルト(オーストリア)13日】サッカーのW杯ロシア大会は、14日に開幕する。日本代表はオーストリアでの事前合宿を打ち上げて、ロシアでのキャンプ地・カザンに向けて出発した。

 ダンディーなまなざしの奥に、自信と確かな手応えがにじんだ。就任3戦目での初勝利から一夜明け、西野監督が“ホクホク顔”で事前合宿地を離れ、キャンプ地となるカザンへ向かった。

 「成長というものは日々感じる。(初戦まで)あと1週間、おそらくいい状態に持っていけるんじゃないかと思います」

 4−2と快勝した前日のパラグアイ戦では“西野マジック”が炸裂(さくれつ)した。前半にシュートミスが目立ったMF乾に対し、ハーフタイムにスパイク交換を指示。トップ下のMF香川に10メートル前に出るよう命じ、後半一気に4ゴールを量産した。

 追加点が欲しい場面でFW大迫を投入、FW岡崎との2トップを試した。相手のパワープレーも想定し、5バックでの守備固めも準備。2年間のブランクを感じさせぬ“自在”な采配ぶりだった。

 慢心はない。試合後は明け方までビデオをチェック。「予想以上にゲームのメンタル、フィジカルがとれている」と評価した上で、本番でのメンバー選考について「非常に高いレベルでいろいろ選択できる状況」と、うれしい悩みを告白した。

 類いまれな強運の持ち主でもある。1996年アトランタ五輪ではブラジルを倒す“マイアミの奇跡”を演出。賭け事はやらないが、同年に俳優の石田純一のラジオの企画で馬券を買うと1000円が26万円に、翌年も17万円に化けた。生涯2度の競馬で万馬券を的中。「皆さんで食事でも」と、払戻金は受け取らなかったという。

 「いろいろな選手とやれることを目指したい。それを全員で見つけて、コロンビアにぶつけるだけ」

 さえてきた名将の勝負勘。番狂わせの期待感が高まってきた。 (浅井武)