アップル、アプリによる仮想通貨のマイニングを禁止 審査ガイドラインに明記

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 仮想通貨は一時はその価値が高騰し大きく注目されたものも、その後、セキュリティなどの問題で規制が強化されたことは記憶に新しい。そして、アップルがまたひとつ規制を新たに追加した。その規制は、仮想通貨の仕組みを利用したある行為も禁止するものだ。

◆新しいガイドライン
 テック系ニュースサイト『The Verge』は11日、アップルがiOSアプリの配信可否を審査する基準となるアプリストア審査ガイドラインを更新したことを報じた。今回の更新で、アプリを使った仮想通貨におけるマイニングが禁止されることとなった。更新された仮想通貨に関するガイドラインは5項目から構成されているが、注目すべきは以下のような項目2の記述である。

3.1.5 (b) 仮想通貨

(2) アプリは、仮想通貨のマイニングをしてはならない。ただし、マイニングが端末で行われない場合は、このかぎりではない(例えば、クラウドベースで実行するマイニング)。

 同記事は、以上のようなガイドラインの更新をうけて、どのくらいの数のアプリが密かにマイニング行為をしていたことによって削除されるか興味深い、とコメントしている。このコメントで言及されている「密かなマイニング行為」とはクリプトジャッキングと呼ばれており、アプリ内広告などにユーザが気づかないうちにマイニングを実行するプログラムを埋め込むことで問題視されていた。

◆グーグルも禁止した
 テック系ニュースサイト『アルス・テクニカ』も、アップルのアプリ審査ガイドラインの更新を報じているのだが、マイニングを禁止した意図について言及している。同社がアプリによるマイニングを禁止した意図として、マイニングを実行することで端末のバッテリーが消耗してしまうことを懸念していることを指摘する。さらに、こうした意図をうかがわせる箇所として、ガイドラインの以下のような項目をあげている。

2.4 ハードウェアの適合性

2.4.2 電力を効率よく使うようにアプリをデザインしなさい。アプリはすぐにバッテリーを消耗すべきではないし、過度な熱を発生させるべきでもなく、また端末のリソースに不必要な負担をかけるべきではない。サード・パーティの広告表示を含んでいるアプリは、仮想通貨のマイニングのような関係のないバックグラウンド処理を実行してはならない。

 以上の項目もクリプトジャッキング行為を念頭に置いたものと考えられるが、実のところ、グーグルが運営する動画サービスであるユーテューブでもこの行為が発見され、その後、禁止されるということがあった。

 もっとも、iPhoneやiPadを使ってマイニングする行為自体は非常に効率が悪く、マイニングを実行するためだけの目的でこうした端末を買うのはあまり意味のあることではない、とも言われている。

◆スマホによるマイニングは権利?
 CNBCは、件のガイドライン更新に対するアプリ開発者の反応を報じている。「クリプトコイン・マイナー」や「仮想通貨クラウドマイニング」といったマイニングに関係するアプリの開発者たちは、ユーザが自分の端末を使ってマイニングすることは許されている、と主張している。とりわけ「仮想通貨クラウドマイニング」の開発者は、ユーザは大きな投資をすることなく「カネを稼いだり仮想通貨で儲けること」が許されており、ハードウェアあるいはソフトウェアからの直接的な介入による厄介ごともあるべきではない、と述べている。

 ちなみに、ビットコインをマイニングしている企業であるコインミントによると、コンピュータでのマイニングの消費電力は1,400ワットで、ヘアドライヤーに相当するそうだ。