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命は待ってくれない、米国で心臓移植が今すぐ必要

2005年11月11日11時09分 / 提供:PJ

pj
命は待ってくれない、米国で心臓移植が今すぐ必要
「病気が治ったら、秋田に帰りたい。家族と一緒に暮らしたい」と語る雲雀(ひばり)英行君。9日、東京女子医大で (撮影:小田光康)
今年3月に余命1年弱、助かる道は心臓移植しかないと宣告された14歳の少年がいる。国内で手術するとすれば2─3年は待たなければならない心臓移植を、彼の命は待ってくれない。少年が生きるために残された方法は海外での移植手術。だが、約6000万円という高額な費用が必要だ。その少年、雲雀(ひばり)英行君(東京都新宿区の東京女子医大に入院中)を救おうと、出身地の秋田県秋田市で「ひでゆき君を救う会」が設立され、懸命(けんめい)な募金活動が行われている。11月7日現在で、4340万7267円の募金が寄せられた。彼の命を救うためには、1日も早く残りの金額約1700万円が必要だ。

 人間の心臓は二対の心房(右心房・左心房)と心室(右心室・左心室)から成り立っており、心臓は血液の逆流を防止するために4つの弁がついている。 右心房と右心室の間に三尖弁(さんせんべん)、右心室と肺動脈の間に肺動脈弁、左心房と左心室の間に僧帽弁、左心室と大動脈の間に大動脈弁とそれぞれ呼ばれる弁だ。英行君の心臓は右心室と左心室が、一般の人と反対の位置にあるために支障を起こす先天性心疾患(修正大血管転位症・合併奇形と診断)だ。

 正常な心臓では、身体全体をかけめぐって集めた炭酸ガス(老廃物や二酸化炭素など)を含んだ血液が、静脈を通って心臓に帰ってくる。その静脈からの血液は右心房に入り、続いて肺に血液を送るポンプの役割をする右心室に移る。右心室から肺に送られた血液は、呼吸によって炭酸ガスが酸素に交換される。新鮮になった血液は肺から左心房へ入り、血液を送るポンプ左心室へ。そこから血液は動脈を通って、全身に勢いよく送られる。

 英行君の心臓の場合、心臓右部分の右心室と三尖弁が、大きな血圧を受けて身体中に血液を送り出す左心室と僧帽弁の役割を担うために、さまざまな負担がかかって大きな支障を起こしている。彼は生まれてすぐ呼吸困難に陥り生後4日後に手術を行って2カ月間、集中治療室(ICU)で、肺不全と心不全の治療を受けた。その後も、感染症などで入退院を繰り返し、7歳のときには、心室中隔欠損閉鎖・僧帽弁形成・肺動脈狭窄(きょうさく)解除という手術を受け心臓の負担を和らげようとしたが、手術後、三尖弁の機能が著しく低下してしまった。

 中学に入学して喜びもつかの間04年4月下旬、三尖弁がさらに悪化し心臓の肥大化を招き、うっ血性心不全と診断された。同年11月には急激に心機能が低下し、英行君は危篤状態に陥った。医師の働きで補助人工心臓装着・人工弁置換手術の成功によって、なんとか命を取り留めた。しかし、翌月12月には感染症が見つかり、やむなく、補助人工心臓を取り外す手術を受け、今年(05年)3月に、心臓移植を受けなければ余命1年弱の命と宣告された。英行君のこれまでの人生14年間はまさに病魔との闘いの連続であり、家族が彼を支えてきた。

 東京女子医大によると、心臓移植の医療費は、米国での4000万から5000万円。一方の日本では、2000万から3000万円という。国内では、臓器提供者の絶対数が少ないため、2─3年待たねば手術を受けられない状況が大きな問題となっている。英行君の担当医である東京女子医大の中西敏雄助教授は「日本では臓器移植について一般の人の理解を高め、社会への受け入れ体制を整えている段階で、医学の技術がありながら、1年の余命しかない英行君を日本では救ってあげられない。渡航費や滞在費を含むとたいへんな金額になってしまうが、英行君の体調が安定している今のうちに1日でも早く渡米し、心臓移植の手術を受けさせてあげたい」と話す。

 急を要する英行君の病態のほかにも、支える家族には経済的な負担が重くのしかかっている。現在、英行君の家族は、秋田市と東京の二重生活を続けている。難病治療のため地方から大都市に来ている子どもと、介護する家族のために宿泊施設を提供する特定非営利活動法人(NPO法人)の「ファミリーハウス」に英行君のお母さんとお兄さんが滞在している。ひとり1カ月3万2000円(光熱費を含む)のほかに、言うまでもなく食費や交通費も負担しなければならない。英行君は東京女子医大の4人の相部屋に入っているが、ベッド使用料だけで1日3000円の費用がかさむ。

 病院での英行君は週2─3回、新宿養護学校の先生による訪問授業を1回2時間ほど受講している。宿題をこなしあとは、大好きな車やアニメーションの本を開いたり、テレビゲームなどを楽しんだりする。重い病気で入院しているにもかかわらず、14歳の健康な男の子のように明るい。週3回ほど見舞いにやって来るお兄さんをいつも楽しみに待っており、また、秋田市に住むお父さんや幼なじみの友だちの声を電話で聞くたびにふるさとを思い出す。

 04年11月、英行君が危篤状態に陥ったとき、末期患者に対して死を先送りするための延命治療の話が持ち出されたという。お母さんのゆき子さんはその当時を思い出し「ベッドの上で日に日にやせ細っていく息子を見ながら、母として何もして上げられないのです。『成功率が数パーセントでも、息子のために是非手術をして欲しい』と何度も頭を下げるお父さんの熱意で、先生が英行のために手術を施してくれました。奇跡的に成功したその手術のおかげで、今こうして息子と一緒に話ができます。14年間も病気と戦っている息子に、何とか心臓移植の手術を受けさせてあげたい」と話す。

 病院で英行君にどんな夢があるかを聞いてみた。彼の夢はふるさとの秋田の自宅に帰ることだという。そんなささやかな英行君の夢をかなえさせて上げるために、今、ひとりでも多くの支援が必要だ。【了】

■街頭募金予定:東京都 銀座 数寄屋橋付近 
日時:11月12日(土)13時─15時
場所:モザイク銀座阪急前
最寄り駅:
東京メトロ丸ノ内線、日比谷線、銀座線 銀座駅C2、C3出口すぐ
JP有楽町駅下車 徒歩3分

募金要領

※秋田銀行と北都銀行は,専用振込用紙(手数料無料)
が各本支店に準備されている。
口座名義は全て「ひでゆき君を救う会」

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※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。

パブリック・ジャーナリスト 佐藤 学

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