今回は近年、若い女性にも増えている不眠症状と心の状態を考えてみましょう。

不眠があるからうつになるのか。うつだから不眠になるのか------。

不眠と精神疾患には強い相関関係があり、うつのある人の9割に不眠症状が見られるといわれています。

不眠は心のエネルギー不足を知らせるサイン

そもそも近年、うつ病をはじめ精神疾患が増え続けています。そして、ベッドに入ってもなかなか眠れない「入眠障害」、起きたい時間より早く目覚めてしまってそのあと眠れない「早期覚醒」、寝た気がしない「熟眠障害」など、眠りに関する障害やお悩みも、年代を問わず、増えつづけています。眠れないのか、(仕事やスマホで?)眠らないのか。いずれにしても眠りに不安がある人が増えているのは確かです。

眠れない背景や精神的な負担の背景には、心の体力が低下していることが考えられます。

「心がエネルギー不足になっているかもしれない」というサインを見逃さないようにすることが、心の体力と快眠を維持うえで重要なのです。

心がエネルギー不足のサインに気がつくためのポイントを「3つのA」でご紹介しましょう。

3つのA

●アルコール(alcohol) 

お酒は適量であれば問題ありませんが、以前より量が増えている、飲まずにいられなくなっているとなれば依存の傾向があります。ストレス発散として、お酒に限らず、たとえネットサーフィンやゲーム、買い物がやめられない、甘いものを食べ過ぎてしまう、など、ひとつのことに度を過ぎて依存している状態が見られたら要注意。「○○○依存」は、心のエネルギー不足のサインです。

お酒の量、飲んでいる時間、ゲームをしている時間、メールやSNSをしている時間、お買い物の金額……が増えていませんか?

●アブセント(absent)

会社を休みがちになる。遅刻しがちになる。早退が増える……。こういう状況が続くようであれば心のエネルギー不足のサインといえます。仕事していてもやる気が出ない、集中力がつづかない。また仕事に限らず、何に対してもやる気、集中力が持続しない場合も要注意です。

●アクシデント(accident)

集中力が低下し、何かとミスが増えてきます。仕事ならアポイントの時間を間違える、場所を間違える、計算ミスなどケアレスミスが増える。指示された内容を覚えられない、さらには十分な時間があるにもかかわらず仕事が終わらないなどが考えられます。

このようなミスが続けば仕事上のトラブルが頻発し、さらにストレスが重なるという負の連鎖が生じます。自身に対する嫌悪感、自信喪失、自責の念、次は失敗できないというプレッシャー……などによるストレスも積み重なり、さらに心が疲弊してしまうことに。

この「3つのA」が2週間以上つづき、その上よく眠れていないのであれば、医療機関にかかりましょう。

家族や職場の人の不調にも「3つのA」

あなた自身はもちろんですが、あなたのまわりの人の心の不調に気づいてあげる際にも役立つので、ぜひこの「3つのA」を覚えてくださいね。

たとえば職場の人で、いままでしなかったようなミスが目立ち始めたときや、いつも清潔感やあってきちんとした身だしなみだった人が急に化粧もしなくなった、清潔感がなくなったなどがあったときなど。

精神的にまいっている人は、自分でそうしたことに気がつく余裕もありません。まわりの人が気づいてあげることも大切なことです。

ちょっとおかしい……。精神的にまいっているサインに早く気づくことが何より大事。



■賢人のまとめ
不眠症状とうつ症状の間には強いつながりがあります。不眠症状は「心のエネルギー不足」のサインです。早く気がつき、早く対処することが、快復のために何より大切です。3つのA(アルコール、アブセント、アクシデント)に注意してください。

■プロフィール

睡眠の賢人 友野なお

睡眠を改善したことにより体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。
科学でわかるねむりの環境・空間ラボ主宰。著書に『やすみかたの教科書』(主婦の友社)、『疲れがとれて朝シャキーンと起きる方法』(セブン&アイ出版)、『正しい眠り方』(WAVE出版)など。