日刊工業新聞のニュースサイト「ニュースイッチ」が、2017年度末の固定電話の契約数がピーク時の約3分の1にまで減少していることを伝え、ネット上で話題になっている。

記事によれば、NTT東西がまとめた2017年度末の固定電話の契約数は、1987万件。ピークは1997年11月で、6322万契約だったという。総務省によれば2016年3月は2250万件だったというから、1年間だけでも260万件ほど減ったことになる。

ネット回線が「固定電話必須」だった時代も今は昔。携帯電話やスマートフォンが普及し、家に固定電話がないという人はもはや珍しくない。Twitterには、固定電話=“勧誘か詐欺のような電話しかかかってこないもの”という声のほか、「電話加入権」に言及する声が多数見受けられる。

「電話加入権」とは、NTT東日本およびNTT西日本の加入電話回線を契約するための権利。NTTに施設設置負担金を支払うことで「電話加入権」を得ることができる。簡単にいえば、そもそも「施設設置負担金」とは固定電話網のインフラ整備のための調達資金で、その価格は時代とともに変遷。1976年の8万円がもっとも高い時代で、1985年から7万2000円、2005年3月1日からは3万6000円(いずれも消費税別)と値下げが続いていた。

ちなみにNTTによればこの「施設設置負担金」は、「加入電話等のサービス提供に必要な弊社の市内交換局ビルからお客さまの宅内までの加入者回線の建設費用の一部を、基本料の前払い的な位置付けで負担していただくもの」であり、「お支払いいただいた施設設置負担金の額を加入者回線設備の建設費用から圧縮することにより、月々の基本料を割安な水準に設定することでお客さまに還元」しているため、解約時等にも返還されない。

「電話加入権」はNTTが財産的価値を保証しているものではないが、質権の設定が認められ、法人税法上は非減価償却資産とされ、“固定電話回線を引いてこそ信用を得られる”といった風潮の時代もあったことから、Twitterには、

“固定番号持ってないと色々と契約時不利orできない、も今や都市伝説…”

と時代とともに変化してきた固定電話の価値に思いを馳せる声がある一方で、比較的高い料金を払わなくてはならなかったことに釈然としない人からは、

“電話加入権が…お金返して…( ;∀;)”
“固定電話って電話加入権?とかがすごく高くて大変だった記憶があるんだけど…今でもそうなのか?今はなき電電公社に払ったあのお金返してほしい。”
“をれの加入権 買い取ってくれねーかねw 泣き寝入りだわな”(原文ママ)

など、「あのとき高いお金を払ったのはなんだったんだ…」というボヤきも多数。また、現在固定電話回線を引いているのは高齢者のいる家が多く、そこを狙ってオレオレ詐欺の電話が多発している実態から、

“今どき固定電話なんてオレオレ詐欺しか掛かってこないだろ。もう60歳以上の年寄りがいる世帯に固定電話設置できないように法改正すればいいんでね?”

など、実現は難しいかもしれないが、オレオレ詐欺の対策を提案するユーザーも見受けられた。

時代とともに変わる「電話」の役割。電波のつながりにくいところがあることや、10万円近くするスマホがあることが、懐かしく思い出される日も遠くないのかもしれない。
(花賀 太)

■関連リンク
固定電話契約数、とうとう2000万割れ。ピークの3分の1-ニュースイッチ Newswitch by 日刊工業新聞社
https://newswitch.jp/p/13196

固定電話網の円滑な移行の在り方
http://www.soumu.go.jp/main_content/000460047.pdf

NTT東日本 施設設置負担金の見直しについてのお知らせ
https://www.ntt-east.co.jp/helloinfo/200465-1.html#sec04