6月3日の北川さんのツイートより(一部加工)

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2018年4月から放送されているNHK連続テレビ小説「半分、青い。」の脚本を務める北川悦吏子さんがツイッターに投稿した内容が議論を呼んでいる。

「もう数字はいいんじゃないか、と思う」――90年代から現在まで高視聴率ドラマを量産したてきた北川さんの発言に様々な意見が寄せられている。

高視聴率の「女王」が視聴率を否定?

事の発端は2018年6月3日に北川さんがツイッターに投稿した、

「もう数字はいいんじゃないか、と思う。視聴率も録画率も試聴熱もツイート数もDVD売り上げも、いろんな指標がこの世にはあるし、結局計りきれないよ。人の心にどの程度届いたか、なんて。だから、自分の信じるものを作る。それでいいと思うんだ。」

というツイートだ。

北川さんは1989年に脚本家デビューし、92年に中森明菜さんと安田成美さんのW主演で人気を博した「素顔のままで」(フジテレビ系)、95年に豊川悦司さんが聴覚障害者の画家を好演した「愛していると言ってくれ」(TBS系)などを手掛けた。また、木村拓哉さん出演作を多く手掛け、93年の「あすなろ白書」(フジテレビ系)、96年に一大ムーブメントにもなり最高視聴率36.7%を記録した「ロングバケーション」(フジテレビ系)、向田邦子賞を受賞し41.3%を記録した「Beautiful Life〜ふたりでいた日々〜」(TBS系)などがある。

視聴率至上主義への批判は、有名無名に関わらずSNSなどでテレビ番組全般に言われているが、このような背景を持つ北川悦吏子さんの元には必ずしも賛同の意見だけが集まらなかった。

「数字によって明確に自分の実績を評価されることができたから今のあなたがあるんじゃないんでしょうか?」
「散々その視聴率の恩恵受けてきたはずなのに」

など彼女自身「数字」で地位を築いてきただけに疑問の声が寄せられた。

視聴率の鬼だった私がいつから...

 

こうした疑問への答えは、当人の過去のツイートからうかがえる。北川さんはこれまでにもツイッター上で視聴率について言及しており、それらは今回のツイートとは違い「数字」を気にしている節がある。しかし、10年3月18日にこんな投稿をしていた。

「大事にする意味。1万人の人がなんとなく見てくれるよりも100人の人が大事に見てほしい。それも私が愛することができそうな100人の人が。視聴率の鬼だった私がいつからそういう風になったのか。しっかり、分岐点がありました。クリエーターとしていい成長を遂げたと思う。病気は大きかった。」

北川さんは1999年に難病「炎症性腸疾患」を患い、2010年には大腸全摘の手術をするなど長い闘病生活がきっかけで、視聴率への考えが変わったことを明かしている。

 

6月6日現在も放送中の朝ドラ「半分、青い。」は週の平均視聴率が20%台をキープしており、数字で見ても好調だ。一方で、SNSでもその展開がたびたび話題になるなど、「数字」以外の面でも評価を受ける。

 

北川さんのツイートには、6日夕時点で150を超えるリプライが寄せられ、今も議論が続いている。