しとしとと雨が降り続く日が増えてきました。爽やかな初夏が過ぎ、季節は梅雨へ。蒸し暑さが気になってくる頃です。

暮らしに活かす二十四節気「芒種」の過ごし方

「芒種(ぼうしゅ)」
・毎年6月6日頃
・太陽と地球の関係:75度

今日(2018年6月6日)は、二十四節気の「芒種」です。

「芒(のぎ)」とは、イネ科の植物の穂先にある、針のような突起のこと。つまり芒種は、稲や麦など芒のある穀物の種をまく時季という意味です。

芒種の頃は、恵みの雨が降り続き、自然界がうるおいに満ちる美しいとき。しかし雨の日が続くと、私たちは外出するのがおっくうになり、家にこもりがちになります。そんな時季だからこそ、家での過ごし方に工夫が必要です。

おすすめは、部屋の片づけや掃除。雨の日はホコリが立ちにくいので、部屋の模様替えにもうってつけです。また、衣替えの時期とも重なりますから、クローゼットの整理整頓をするのも◎。部屋の隅々まできれいにして空間を整えると、気分までスッキリ。気候と連動して鬱々とした気持ちになりやすいこの時季を、爽快な気分で過ごせるようになるでしょう。

梅雨の冷え予防はメニュー選びがポイントに

梅雨に入ると、湿度が高くなって蒸し暑い日が続くイメージがありますが、ときには肌寒い日もあります。それなのに、オフィスや電車内、スーパーなどでは冷房がよく効いているので、体を冷やさないように気をつけることが大切。

それは、この時季の養生のポイントといえます。衣服で調節するのはもちろんですが、毎日の食事は食材を加熱したものがおすすめです。生野菜よりは温野菜、冷奴よりは湯豆腐、刺身よりは焼き魚や煮魚をチョイスして。また、しょうがや山椒、ガーリックなどのスパイスも積極的に取り入れてみましょう。そうやって体の内側から温めることで、外側からの冷えの影響を小さくすることができます。ひいては、これからやってくる真夏の暑さを乗り切るための、体の土台作りにもつながります。

二十四節気をめぐる航海は続く

二十四節気とは、今から1000年以上も前から使われてきた季節を示す言葉。太陽の動きにもとづいて導き出された、自然のリズムです。

私たちが普段使っているカレンダーの中にも、およそ2週間ごとに登場します。気づかないうちに過ぎてしまうこともあるかもしれませんが、都会に暮らしていても、仕事や家事に精一杯な日々を過ごしていても、誰もが自然の移り変わりの中で暮らしていることには違いありません。私たちは地球という大きな船に乗って、宇宙という大海原を航海しながら、二十四節気という港をめぐっているのです。

ですから、何かと忙しい毎日でも、時々は二十四節気という節目を意識してみてください。そうすると、少し鈍っていた自然に対する感性が呼び覚まされて、当たり前だと思っていたことにも情感があふれ出すようになるでしょう。自分とは自然の分身です。自然に対する感性が豊かになれば、自分自身への向き合い方もこれまでとは違ってきます。体の微妙な変化に敏感になり、物事のとらえ方や心のトーンも変わっていくことでしょう。

さて、本連載『暮らしに活かす二十四節気』がスタートしたのは、昨年の夏至の日でした。あれから地球は太陽のまわりをぐるりと1周して、二十四節気のすべてをめぐったことになります。そう、この連載は今日が最終回です。これまでご愛読いただき、ありがとうございました。みなさんの新たに始まる航海が、素敵な日々となりますように!

次に巡ってくる二十四節気は、「夏至(2018年6月21日)」です。

イラスト・カイフチエリ