あなたはご存知だろうか。

日本国内最難関・東京大学に入学を果たした「東大女子」の生き様を。

東京大学の卒業生は毎年約3,000人。

しかしそのうち「東大女子」が占める割合は2割にも満たず、その希少性ゆえ彼女たちの実態はベールに包まれている。

偏差値70オーバーを誇る才女たちは卒業後、どのような人生を歩んでいるのか。

これまでには隠れにゃんにゃんOLや向上心の塊のような才色兼備、愛人枠に甘んじる文学少女、量産型女子を演じる理三卒女医、夫に内緒で別宅を構えるバリキャリ、元外銀のゆるふわOLが登場。

さて、今週は?




<今週の東大女子>

氏名:村上春奈
年齢:30歳
職業:カリフォルニア州弁護士
学部:法学部
住居:サンフランシスコ
ステータス:独身

「見ての通り、この見た目で人生いろいろと損してきたと思います」

開口一番、諦めたようにそう言う村上春奈は、女性として魅力的…とは確かに言い難い。

中肉中背ではあるのだが、筋肉質のため大柄に見える体に、大きく張ったエラ。

骨が太いのか、全体的に“どっしり”と安定感がある。

れっきとした女性であるにもかかわらず、彼女を前に連想したのは...失礼ながらモンゴル相撲の力士だ。

「友達は多い方だと思いますが、まともに私を女性扱いしてくれる人なんて居ませんでした。

東大法学部って女子比率が低いから、入学当初は私でもそこそこいけるんじゃないかって期待したこともありましたけどね」

苦い顔で笑うが、屈折したところは感じない。

諦めの境地、といった体である。

「男だったら良かったのになぁと思ったことは数知れませんね。...男だったら、絶対モテてたのになぁ」

彼女がそう言うのも無理は無い。

彼女は現在、日本人でありながらカリフォルニア州の現地法律事務所で働いているエリートだ。

大学在学中に予備試験(※)を通過し、1年の修習後は四大法律事務所で弁護士としてのキャリアをスタート。

弁護士4年目でカリフォルニアのロースクールに1年間留学した後、現地法律事務所に引き抜かれ、現在に至る。

非の打ち所が無い華麗な経歴と言えよう。

「“意識高い系”と思われることが多いんですが、実は私が今に至るまでの動機って、本当にしょうもないんですよ」

そう言って春奈は、元から小さく切れ長な目を更に細めて笑ってみせた。

※予備試験:法科大学院に行かずとも司法試験受験資格を得られる試験。合格率は3%台と言われる。


エリート街道快進撃。しかしその裏には苦すぎる経験が…


「そもそも東大に入ろうと思った動機も不純なんです。

高校は地元福岡のそこそこ有名な進学校に通っていたんですが、実は同級生の男の子にベタ惚れで。彼の自信家で負けず嫌いなところが好きでした。

その彼が『俺は当然東大に入るんだ!』って豪語していたので、じゃあ私も東大行こ!って(笑)」




「“貧乏暇無し”と言いますが、私の場合は“ブスに暇無し”。

高校生の時にはもう既に、自分が周りの女の子みたいにただ待ってるだけじゃ幸せになんかなりっこないって分かってましたから。

“努力で得られるチャンスは全部拾っていく”と覚悟を決めて、とりあえず必死で勉強しました」

涙ぐましい努力の甲斐があり、東京大学文科砧爐妨事現役合格を果たした春奈。

意中の彼も同じく文科砧爐妨縮鮃膤覆掘⊇嫺爐療慘呂亙鵑錣譴弔弔△襪に思われたのだが…

「...彼の方は、私なんかとは違って普通にモテる人だったんですよね。まあ当然と言えば当然なんですが、そのうち女子大の可愛い子と付き合い始めて。

その間も友達としてはずっと仲良く付き合っていたんですが、私を異性として見ていたことは無いんじゃないかな」

しかしそこでめげるような彼女では無かった。

「文科砧爐凌佑世班當未和感噺紂∧杆郢里鯡椹悗垢鵑任垢、彼もその一人でした。

となれば私も当然弁護士を目指さなきゃ!と、彼が可愛い彼女と遊んでるのを横目に、今度は予備試験の勉強に必死で取り組みました。

…今思うと、彼にアピールするなら他にやるべきことあったんじゃないかとも思いますけどね。

一度“コレ”と決めるとその方向に突っ走ってしまうタイプなんです、私」

そして大学4年の秋、春奈は合格率3%台と言われる超難関試験も突破したのだった。

…しかし彼女は、ここで大きな誤算があったことを知る。

「それなのになんと彼...そのまま彼女と学生結婚しちゃったんですよ!

結婚自体もショックでしたが…結婚した相手が全く私と違うタイプだったのがもっと悲しかったですね」

少しでも彼の視界に入りたい。その一心で大学受験、予備試験とひたすら努力を続けてきた春奈。

しかし、コツコツ続けてきたその努力が、全く見当違いのものだったと気付いた時のショックは相当なものだったと言う。


大失恋。しかしそれでも人生は進んでいく…努力の東大女子が有り余るエネルギーを向けた先とは?


「それを機にしばらく、“世の中の可愛い女の子はみんな敵!”みたいな気持ちになって(笑)

とりわけ努力するという訳でも無く、ただ可愛いっていうだけでチヤホヤされる女の子たちが単純に妬ましかったんです。

それで今度は、“彼女達には出来ないことを成し遂げて見返してやる!”っていう謎のモチベーションで、そのままエリート街道を突き進むことにしたんです」

それだけのモチベーションで司法試験をストレート合格、4大法律事務所からのカリフォルニア州弁護士だというのだから、流石東大女子のバイタリティは半端なものではない。




新天地で見出した、自身の道


「カリフォルニアのロースクールに留学したのも、本当に思い付きだったんですよね。

そもそも高校のころから弁護士になりたくて勉強してきたわけでも無かったし…バリバリ働きながらも、何だかしっくりこなくて。

とはいえ他業種に転職するのも不安だったし、それなら “勉強”という名目で一度環境を変えてみようかなって」

そのまま単身、“なんとなく”カリフォルニアへ渡った春奈。

しかしそこで彼女は、それまでの価値観を大きく変えることになる。

「こっちだってそりゃ、綺麗な女性はチヤホヤされますよ。

でもそれ以上に、その人の“考え”や“信念”みたいなところで人を見るというか…特に男性は、人としての器が日本人より大きく感じることが多いですね」

残念そうに小さく首を振るその様子からして、東京での男性経験はあまり喜ばしいものでは無かったようだ。

「正直東京で弁護士してた頃は、恋愛対象として見られるどころか男性には敬遠されてたように思います。

“ブスなエリート”って本当に扱いづらいみたい(笑)

…でもこっちに来てからは、私でも普通の女性として扱ってもらえるんですよね」

そして春奈は、健康的に日に焼けた顔に満面の笑みを浮かべた。

「実は、今勤めてる法律事務所は今年で退職する予定です。

今付き合っている彼、シェフなんですけど、今年の秋に独立する予定で。

…私、そこの顧問弁護士兼マネージャー兼ソムリエに転向するんです!」

突飛すぎるキャリアの展開に度肝を抜かれるが、しかし振り返ってみれば、彼女にとっては今までと同じ行動原理で動いているだけなのかもしれない。

一途に片思いを貫き努力を続けた高校・大学時代、容姿に恵まれた女への敵対心だけでキャリアを積み上げた20代後半を経て、新天地で見つけた新しい愛。

高校時代と全く変わらぬ一途さと真っすぐさで、新しい人生へ突き進んでいく彼女の未来が明るいものであることを祈りたい。

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”より優れた男”を求めて、人生をステップアップし続けた東大女子