湘南ベルマーレ対ベガルタ仙台戦で、ライザップ社員・関係者専用席として確保された一角に人はいなかった(写真提供:朝ノラ(@zxz0990)さん)

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J1・湘南ベルマーレの試合で、RIZAP(ライザップ)の社員・関係者専用席がスタンドに設けられたものの、どういうわけか一人もおらず「ガラ空き」だった。その席数は約100人分におよんだ。

「結果にコミット」のキャッチフレーズで知られるライザップといえば、湘南の経営権を取得し、フィットネス事業で培ったノウハウを提供していくとして話題を集めたばかり。その中で、せっかく確保された応援席に社員ゼロという寂しい光景は物議を醸すことになった。だがJ-CASTニュースが湘南を取材すると、広報担当は「こちらのミスです」と謝罪した。「ライザップの皆様は観戦に来ていた」と言うのである。

ツイッターに投稿され、話題に

試合は2018年6月2日に湘南のホーム、Shonan BMW スタジアム平塚で行われたルヴァン杯(Jリーグ杯)プレーオフステージ第1戦・ベガルタ仙台戦。試合は湘南が3対0の快勝を収めたが、客席の一角がどうもおかしい。

自由席スタンド約100席分が「RIZAP株式会社 社員・関係者の皆さま」との張り紙で確保されていたにもかかわらず、誰もいなかったのだ。区画されたブロックの両隣のブロックには観客がおり、ぽっかりと空洞になっている。そんな寂しい光景の写真が2日にツイッターで投稿されると、「何かすっごく悲しいよ」「これは酷い」「結果にコミットしないヤツら」といった声が続出した。

一方で、ツイッター上では現地観戦したというユーザーから「違う場所で一緒に応援してましたよ」など目撃談も寄せられている。一体どういうことなのか。

フィットネスクラブ運営などを手がけるライザップは、4月に湘南の経営権を取得。金銭面だけでなく、ノウハウやトレーニングメソッドを提供して湘南を強力にバックアップしていく方針を示したばかりだ。

J-CASTニュースが5日、湘南を取材すると、広報担当者は「我々の案内不足でした。実際にはライザップの方々は応援にいらっしゃっていました」と説明した。

「メインスタンドのアウェーゴール裏に近い自由席の一角を確保していましたが、こちらの連絡ミスで誤った別の場所が伝わり、ホームサポーターが集まる場所に近い席へ案内されていたということです。もともと確保していた人数分、100名弱ほどの方々が来てくださいました」

「ご来場の皆様には大変ご迷惑をおかけ致しました」

今回に限らず、スポンサー企業などが団体で大人数のチケットを購入すると、「まとまって観戦できるよう、人数分の座席をあらかじめ区切っておくことはしています」という。

ただ今回、結局確保していた席は使われず、個人客も利用できない状態にあった。担当者は。

「こちらの対応から起きたミスです。その分の自由席をお客様にご利用いただくことができず、ご来場の皆様には大変ご迷惑をおかけ致しました。申し訳ございませんでした」

と、謝罪した。

ライザップの広報担当者はJ-CASTニュースの取材に「連携不足がありました」と答えたうえで、「この日は試合前に、サポーターとライザップのスタッフがコミュニケーションをとるスペースを設けるなどし、試合の応援もしました」と話した。

ライザップは経営権の取得にあたり、2020年までにJ1・天皇杯・ルヴァン杯のいずれかのタイトル獲得と、スタジアム収容率1位の目標を掲げている。広報担当者は湘南の「応援」についても、「ベルマーレの結果が出なければ、ライザップのサポートが駄目だったということにもなります。我々は2020年までの『コミット』をめざして一緒にやっており、具体的なサポートも始まっています。今後も選手の力になるため、金銭面、トレーニング面、そして応援の面でも取り組んでいく次第です」と話していた。